★中国を公然と批判する共産党のあやまりー(天木直人氏)

共産党がきのう11月15日、党大会を開いたらしい。

 報道によれば、共産党の党大会は2-3年に一度しか開かれず、

そこで決まった方針は次の党大会まで重要方針として位置づけられるという。

 そんな重要な方針の中で、

「日米安保条約の廃棄を求める国民的多数派の形成」を基本政策に掲げたという。

 それを私は支持する。

 そして、安倍政権を倒すために野党共闘を加速させるという。

 それが可能なら、それもいいだろう。

 しかし、次期衆院選後には「野党連合政権」樹立を目指すという。

 これには驚いた。

 外交・安保政策でまったく方針が異なるいまの民進党と、どうして連合政権を目指せるというのか。

 私が共産党を信用できない理由がここにある。

 そして、私がもっと失望した事がある。

 それは中国を公然と批判したことだ。

 志位委員長は党大会の講演で次のように中国を激しく批判し、その内容を決議文にも盛り込んだという。

 「今日の中国に、新しい大国主義、覇権主義の誤りが現れている。

社会主義の道を決定的に踏み外すことを警告しなければならない」と。

 その中国批判は、米国やロシアへの批判よりも多かったという。

 私はこの共産党の中国を公然と批判する対応は誤りだと思う。

 中国との二国間の話し合いの場で批判するのはいい。

 そして中国の覇権主義は批判されなければいけない。

 しかし、それを公然と行っては、中国との関係をいたずらに悪くするだけだ。

 私は中国との関係改善こそ安倍外交に出来ない日本外交の喫緊の課題であると考える。

 なぜ共産党は党大会でそこまで中国批判を強く打ち出したのか。

 その背景をきょう11月16日の朝日新聞はこう書いている。

 「(中国)批判を強く打ち出す背景には、

『中国共産党と私たちは違うということを(国民に)理解してもらう』(党幹部)狙いもある。

野党共闘を進め、無党派層を取り込むうえでも中国批判が不可欠との計算が働い働いている(関根慎一)」

 何をかいわんや、である。

 選挙協力や国民迎合のために、中国批判を公然とするならば、それは大きな間違いである。

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