★いかにもぎごちない安倍首相とスー・チー氏の握手-(天木直人氏)

今度のスー・チー氏の来日の報道を見てつくづく思う。

 無理をした演出だと。

 なぜか。

 そもそも安倍首相とスー・チー氏は政治家として正反対だ。

 いわゆるケミストリー(体質)が合わないというやつだ。

 それに加え、日本政府は、というより外務省は、欧米に比べて一貫してスー・チー氏に冷淡で、

ミャンマーの軍事政権寄りだった。

 それが、スー・チー氏がついに事実上の国家元首になり、それを世界が歓迎するようになって、

手のひらを返したように近づいたのだ。

 安倍首相がミャンマーに対する全面支援を喧伝した時、

それに対するスーチーさんの第一声が、「そうであること信じる」と応じたのは、これ以上ない皮肉だったのだ。

 もうひとつ、今度のスー・チー氏の来日で残念に思う事がある。

 それはミャンマー支援までも、中国を意識した計算が見え見えだからだ。

 メディアはこれを、馬鹿のひとつおぼえのように、「中国包囲網」と書いている。

 本来ならもろ手を挙げて歓迎すべきスー・チーさんの来日であるが、

安倍首相とスー・チーさんとの握手はいかにもぎごちないのである。

 そして、その責任はすべて日本側にある。

Reply · Report Post