#shogi “不自然な離席”に関する所感


10/31(月)の月例報告会では、“一致率”は元よりそれを除外した“棋譜の観点”も渡辺竜王の釈明を除くと殆ど言及されなかった。根本となる、“相手の手番での頻繁かつ長時間の離席”が`棋道に対する罪´とばかりに糾弾される傾向にあったが、正直違和感を感じた。

電子機器を不正使用する場合、相手の着手を確認した上なら最も効率的だが、離席後も東京将棋会館なら4階:桂の間や2階:道場のTVモニターで特別対局室奥側の対局を視聴可能となる。更に、関西では2階:道場のみならず3階の棋士室で東西全IPカメラの内容を確認可能だ。

現在では、対局者が気安く棋士室に赴きIPカメラ対応のPCモニターを閲覧する訳には行かないにせよ、「この一手だが今後の展開を長考しそうな局面で離席」したり「着手を確認するまで他の対局を観戦しつつ部屋に残留」するといった方策もある。

不正を前提とせずに自分の手番で離席する場合も、「相手が予想より早く着手したにも関わらず廊下とんび行為で持時間を浪費」という事態とは無縁な利点がある。記録係に「呼びに来なくても結構」の旨を伝え損ねた場合も、当然ながらそうされずに済む事になる。

私は盤前で背筋を正して瞑目し、お互いの威圧感の掛け合いを認識上に制御している。方や、掛け合いを避けつつ自分の時間で思考したいなら、離席して余人の視線を避け得ないにせよ注意を引かない場所に身を落ち着けるなり、同様に配慮しつつ歩き回って脳内将棋盤を活用する訳だ。

“頻繁”に関しては、不正使用を前提とした場合`急所の局面を前提とした離席´に他ならない。ソフトも使用した事前研究を回避されるか、60:40程度の終盤戦で打ち切った研究の通りに進んでから離席すべきなので、遮二無二乱戦に持ち込まれない限り頻繁にそうする理由がない。

因みに私は、頻度より「離着席時の挨拶」を重視する方なので、相手の手番で「失礼します」と明確にそうして離席されたら「(そんなに早く一息付けたいのかな?すっきりしたら直ぐ戻った方が良いですよ)」と思う程度だ。寧ろ、「はい」と明確に発声して応対できなかった際に気に掛けてしまう事がある。

“長時間”に就いては、持時間が減少傾向にある昨今の対局では頻繁と矛盾する項目に他ならない。最終盤に重要な局面を迎えた際に、不正使用の時間的猶予がなければ本末転倒となる。電子機器の隠蔽なり操作なりに習熟すれば長時間を要さなくもなるだろう。

個人的には、「持時間の使用法や離着席状況は個人的裁量権の範囲内で相互不干渉」という大原則が性善説の衰退と共に後退していると思う。替わる規範として性悪説を採用し、三浦九段の挙動を参考にして具象化すると上記の項目への糾弾という形を取る事になると見做している。

不正使用問題を無視すれば、離着席を含む対局態度に関して上記より「長時間の対局で午前中から胡座」「短時間の対局で正座解除」の方が糾弾にこそ値しないが問題だ。とは言え、年齢や性別:BMI値や傷病の問題もあり、「奨励会員への模範」という大義名分にせよ自らの正座厳守に留めたい。

本来、着席の維持は精神論より運動生理学の管轄であるべきだ。10:00開始~12:00休憩という規定は「人間の集中力は2時間が限度」という定説に合致しているが、同一の姿勢の維持取り分け局所的な不快感との対決は心身が規定に適応する際の妨げとなる。

とは言え、月例報告会は14:00~17:15の長時間に及んだが、殆ど中座者や退出者は存在しなかった。臨時説明会に次ぐ混雑の上に同様にしばしば論議が白熱する緊迫した状況でもあったが、人間工学に合致する様な代物とは言い難いにせよ椅子席の優秀性を再認識した。

関東で言えば、囲碁・将棋チャンネル様にご主催に限らず地下スタジオ使用の対局が導入されても良いかと思う。ともあれ現状では和室のみの体制が続くが、先ず関西から低反発座布団の導入が開始され私も4/25(月)の対局で使用した。

果たして、月例報告会で正式に発表があり『後日感想を聞き取る』との案内だった。早速発言の序でに、「正座時には体がふわふわする感じで重心の掛け方が問題。二の足の脛からは重量が吸収され易いが、ふくらはぎや膝に掛かる体重は軽減されない。普通の座布団よりはまし」の旨を回答した。

一方、臨時説明会で「休憩室を設けて監視者を常駐」という提案がなされたが、東西共に部屋と人員の確保が問題となるせいか真剣な論議及び検討に至らなかった。今回の月例報告会でも、昼食及び夕食時の外出禁止令への是非が再提議されて一定の論議に至った陰に隠れた感がある。

ひとつの結論としては、「昼食及び夕食休憩時を除いて着席を維持する事で疑惑を回避する態度は非現実的」と言える。かく言う私も体調に問題がなければ午前中は着席を維持しているが、午後は12:40~18:00の長時間に及ぶのでメリハリを付け辛い。

「12:40~14:40:14:50~16:50:17:00~18:00」という区分が一例だが、相手が長考しそうな局面では早めに夕食休憩に入りたいのみならず、夕食休憩なしの棋戦では夕方に適宜中座して終盤の緊張を解きたくなる。以前は、「勝利を読み切って手番で中座」が強者の嗜みとされてもいた。

せめて、「一般棋戦での金属探知機導入並びに昼食及び夕食休憩時の外出禁止」が前提であれ、規則の厳格化により「消費時間や離着席に関する相互不干渉」の原則が復活する様願って止まない。それと共に、心身の健康維持の妨げとならない対局であって欲しい物だが……

Reply · Report Post