★TPP賛成者は次の選挙で必ず落選させるー(植草一秀氏)

臨時国会でのTPP批准案の衆院通過を11月2日以降に先送りさせなければならない。

日本国憲法第60条、第61条の規定により、衆院で可決された場合、

30日以内に参議院で議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決とされる。

つまり、11月1日までにTPP批准案が衆議院で可決されると、

11月30日の臨時国会会期末までにTPP批准案が承認されることになる。

したがって、TPPを批准阻止するためには、

TPP批准案の採決を11月2日以降に先送りさせることが必要になる。

衆院TPP特別委員会は、10月27日午前に参考人質疑を行い、同日午後、総括的集中質疑を行っている。

さらに、28日午前に一般質疑を行うことが合意されているが、

28日午後の日程については27日に協議されることになる。

地方公聴会は10月26日に北海道と宮崎で実施されたが、TPPが影響を及ぼす地域は日本全土に及ぶ。

全国の10ヵ所程度の場所での地方公聴会の開催が求められる。

また、当然のことながら中央公聴会の開催も必要である。

野党は拙速採決を阻止するため、少なくとも、採決時期を11月2日以降に先送りするために

全力を尽くすべきである。

しかしながら、審議日程だけが消化されてしまっており、

安倍政権によるTPP批准案の採決強行の可能性が高まっている。

TPPによって日本は名実ともに米国の植民地と化す。

日本の国民でありながら、日本の国益を売り渡そうとする者が多いことは悲しむべきことだ。

日本完全崩壊の日が近付いている。


10月27日午前、衆院TPP特別委員会で、野党推薦の参考人に対する質疑が行われた。

NHKオンラインは次のように伝えている。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161027/k10010746111000.html

TPP協定の国会承認を求める議案などを審議している衆議院の特別委員会は、

民進党と共産党が推薦する参考人への質疑が行われ、

この中で、TPP協定は、農産物5項目のおよそ3割の品目で関税が撤廃され、

国会決議に反するという意見や、食の安全への影響を懸念する指摘が出されました。

特別委員会は、委員会運営をめぐる与野党の対立から先送りとなっていた、

民進党と共産党が推薦する参考人の意見陳述と質疑が行われました。

東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は

「TPP協定の政府試算は、GDP=国内総生産の押し上げ効果が3.2兆円から、

およそ14兆円に膨れあがり、いいように数字合わせをしている。

国内対策も不十分で議論することが残っており、拙速に採決すべきではない」

と述べました。

横浜国立大学名誉教授の田代洋一氏は

「TPP協定では、農産物5項目の約3割の品目で関税が撤廃されるなど国会決議にも反している。

国会承認を焦ることなく、時間をかけて問題点を解明し、アメリカなどの出方を見て、

最終的な判断をするのが、国会の賢明な態度だ」

と述べました。

NPO法人、アジア太平洋資料センター共同代表の内田聖子氏は

「TPP協定は極度の秘密主義だ。国会でも『外交上の秘密でお答えできません』という発言を聞くが、

なぜ、ここまで秘密なのかの説明を全く聞いたことがなく、納得できない。

何が本当の国益なのか多角的に検証して欲しい」

と述べました。

明治大学法学部兼任講師の山浦康明氏は

「TPP協定によって遺伝子組み換え食品の安全性評価が後退するという危機感を持っている。

消費者は厳格な表示を求めているが、できなくなるのではないか。

食品の安全などの詳しい審議をしないままでは、全く不十分だ」

と述べました。


TPPが日本農業、食の安全・安心、医療、労働、金融に与える影響は甚大であり、

しかもISD条項は日本の主権を奪うものである。

日本の主権者である国民の利益を優先して考える、主権者ファーストなら、日本のTPP参加はあり得ない。

TPP推進者はすべて、

ハゲタカファースト

なのである。

ハゲタカは金力である。

金力の前にすべてのものをひれ伏せさせようとする。

この金力=ハゲタカにひれ伏している者がTPPを推進している。

日本の主権者はこの真実を知り、TPPに賛成する者を、次の選挙で全員落選させなければならない。


間違った政治を正すには、選挙で間違った政治を主導するものを落選させることがもっとも有効である。

安倍自民党は2012年12月の総選挙の際に、

ウソつかない!
TPP断固反対!
ウソつかない!
日本を耕す!!自民党

と大書きしたポスターを貼り巡らせた。

同時に、

TPP交渉への参加に反対

と大書きしたポスターも張り巡らせた。

明らかに

「TPP反対!」

をアピールして選挙を戦ったのである。


その安倍政権がTPP交渉への参加を表明したのは2013年3月15日。

選挙から3ヵ月も経っていなかった。

これを

「舌の根も乾かぬうち」

という。

農協はTPP反対だったが、自民党が政権に復帰し、自民党がTPP推進に変節すると、

これに合わせるかのように、圧倒的多数の農協が変節した。

日本医師会もTPP反対だったが、自民党が政権に復帰し、自民党がTPP推進に変節すると、

医師会もTPP推進に変節している。


すべて、

金力

の前にひれ伏しているのである。

情けない人々である。

大事なことは、

TPPの本質を知ることであり、

TPPが私たちに何をもたらすのかを知ることである。

権力者がTPP推進なら、何も考えずにそれに付き従うというのなら、もはや、民主主義の意味はなくなる。

主権者である個人が、自分の目でものを見て、自分の頭で考え、自分で判断することが、

民主主義を生かす方法である。


TPPは

日本農業を潰す。

ハゲタカは日本農業で利益を得ることを目論んでいるが、

それは、ハゲタカが支配する農業であって、既存の農業を崩壊させて、ハゲタカ農業が利益を得ることである。

食の安全・安心は破壊され、

日本国民の食糧自給などまったく考慮されない。

日本の農村文化、伝統ももちろん破壊される。

医療に与える影響がもっとも深刻になるだろう。

現在の公的医療保険制度は、基本的にすべての国民に必要十分な医療を提供することを保障している。

しかし、日本がTPPに参加すれば、いずれ日本の医療制度が根底から改変され、

普通の市民は病気になっても十分な医療を受けられなくなる。

その重大性を考えることが重要なのだ。

何も考えずに、強い者に連なり、時間が経ったときに後悔しても遅い。


労働規制の撤廃は企業の利益のための施策であって、労働者にとってメリットはない。

「一億総活躍」の正体は「一億総低賃金強制労働」であり、

生産年齢を過ぎた国民には十分な医療が提供されなくなる。

「働けなくなった国民は早く死ね」

が国の基本方針になるのだ。

民営化というのはハゲタカへの利益供与である。

民営化する公共事業・公共サービスは、国民生活に必要不可欠な事業・サービスである。

売上が確実に見込める、利益機会のパラダイスなのだ。

民営化を請け負えば、倒産の心配はなく、利益が半永久的に保障される。

この民営化で「利益供与」を行い、そのあっせんした者はリベートを受け取る。

これが「民営化」の正体であり、「民営化利権」はとてつもなく大きい。


そして、日本国民の貴重な資金がハゲタカに収奪される。

郵政マネー、年金マネー、外貨準備、企業内部留保がハゲタカに収奪される。

そして、日本の1%勢力が提供するタックスヘイブンマネーがヘッジファンドの原資となり、

人為的に金融危機が創作されてゆくのである。


だから、日本の主権者は連帯して、次の国政選挙でTPPに賛成する候補者を全員落選させなければならない。

選挙の洗礼で主権者の意思を思い知らせることがどうしても必要である。

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