★ 諸悪の根源=野田蓮舫民進執行部に主権者同意-(植草一秀氏)

日本政治衰退の主因が多くの主権者に理解され始めている。

私は民進党の「鵺(ぬえ)体質」が日本政治混迷の主因であることを訴え続けてきた。



とは、

日本で伝承される妖怪あるいは物の怪

のことで、

猿の頭、虎の胴体、蛇の尾を持ち、翼持たずして空を飛び、陰気な鳴き声で人々を悩ませると言われる。

このことから「何だかよくわからないもの」を「鵺的な」と表現することがある。

民進党は「与党」でも「野党」でもない

「ゆ党」

である。

野党よりは与党に限りなく近く、与党と「癒着」する「癒党」=「ゆ党」なのだ。

既得権による日本支配を維持しようと目論む勢力は、民進党を「ゆ党」体質に染め抜くことに全力を注ぐ。

そのために、与党と癒着する「御用組合」を民進党支持母体の「連合」として民進党にあてがっている。

この基本構図を正確に理解することが、日本政治刷新を実現するカギになる。


2009年9月に樹立された鳩山由紀夫政権はまったく異質のものだった。

官僚支配を根絶する。

米国支配を断ち切る。

大資本支配を断ち切る。

この基本方針を鮮明に示した。

その具体化が

官僚天下りの根絶

辺野古基地の県外、国外移設

企業団体献金の全面禁止

の政策公約だった。

本当の意味の革新政権が樹立されたのである。

この状況に直面して既得権勢力は驚天動地の心境に至った。

だからこそ、この新政権樹立を牽引した小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏に対して、

メディアを総動員した総攻撃が展開されたのである。

菅直人氏、野田佳彦氏、岡田克也氏は

本当の意味での革新勢力である小沢氏と鳩山氏を排除するための

エージェント

として活用されたのである。


2010年6月政変は、このエージェント勢力による権力の強奪であった。

2010年2月に来日して小沢一郎氏と会談した米国務次官補のカート・キャンベルは、

ソウルでキム・ソンファン氏と会談して、

日本の窓口を小沢-鳩山ラインから菅・岡田ラインに切り替えると明言した。

この機密情報がウィキリークスによって暴露された。

この基本方針に沿って、小沢一郎氏はねつ造された陸山会事件によって強制起訴された。

鳩山内閣は破壊されて、6月に菅直人クーデター政権が樹立された。

菅直人政権は政権発足と同時に辺野古基地建設推進と消費税増税実施の方針を打ち出し、

民主党支持の主権者の総批判を浴び、参院選で惨敗した。

ここで本来は小沢一郎氏が民主党代表に就任し、小沢一郎政権が誕生するべきであったが、

9月14日の民主党代表選で大がかりな不正選挙が実施されて菅直人政権が存続された。

そして、この菅直人政権の後継政権として樹立されたのが野田佳彦政権である。

菅政権と野田政権の特徴は、

米国、官僚、大資本による日本政治支配の構造に完全回帰したことである。

実質的に政治権力は既得権勢力の側に奪還され、

2012年12月選挙で正式に既得権勢力への大政奉還が行われた。

この延長線上にあるのが現在の民進党であり、

この民進党を野党第一党の地位に留まらせることによって、日本政治刷新の可能性を阻止している。

これが現状である。

したがって、現状を打破するには、民進党を解体して、

共産、自由、社民と共闘を組める勢力だけを抽出して、

オールジャパンの平和と共生追求勢力の連帯を構築することが必要不可欠なのだ。

同時に、連合を「御用組合連合」と「労働組合連合」に分離させることが必要不可欠である。

このことに、ようやく多くの主権者が気付き始めている。


「連合」は「御用組合連合」と「労働組合連合」によって構成されている。

「御用組合連合」は

原発推進、集団的自衛権容認、TPP推進、辺野古基地推進、消費税増税推進

の基本スタンスを示しており、自公政権の支持母体になるべき存在である。

これに対して、本来の「労働組合連合」は

原発稼働阻止、集団的自衛権否定、TPP不参加、辺野古基地建設阻止、消費税増税阻止

の基本スタンスを示す。

正反対の基本政策を有する団体が同居していることがおかしい。

「連合」を支配しているのは

電力、電機、鉄鋼、自動車

の「御用組合連合」であり、この「御用組合連合」は自民党の支持母体になるべきである。

「経団連」と主張がまったく変わらない。


一番分かりやすい事例が新潟知事選だった。

新潟知事選で連合新潟は、

原発推進と見られた自公推薦の森民夫氏を推薦した。

「連合の正体見たり新潟知事選」

となった。

この選挙に際して、蓮舫-野田佳彦民進党執行部は、

民進党支部長であった米山隆一氏の推薦要請を拒絶。

米山氏は民進党を離党して、共産、自由、社民、市民団体推薦で知事選に出馬した。

民進党は自主投票としたが、実態上は、原発推進候補と理解された森民夫氏支援だった。


蓮舫-野田佳彦民進党執行部は、東京10区、福岡6区の衆院補選でも共産、自由、社民の推薦を拒絶。

野党4党党首そろい踏みの街頭演説でも候補者を同席させなかった。

結局、蓮舫-野田佳彦執行部が支援した候補者は、

新潟県知事選、衆院補選東京10区、衆院補選福岡6区のすべてで惨敗した。

蓮舫-野田佳彦執行部は責任を取り、辞任するべきだ。


原発推進、集団的自衛権容認、TPP推進、辺野古基地推進、消費税増税推進

の民進党執行部と、御用組合連合は、

セットで自民側に移籍するべきだ。

これらに反対する勢力だけが、共産、自由、社民と共闘を組むべきである。

現有国会議員数は少ないが、

政策を基軸に主権者の連帯を呼びかければ勝利できることが新潟県知事選で立証された。

政策を基軸に

党派を超えて

主権者が連帯すれば、

日本政治を刷新できる。

このことを証明したのが新潟県知事選である。


鵺の民進党に用はない。

経団連と変わらぬ御用組合連合にも用はない。

連合内部の

自治労

日教組

JR総連

などは、

「御用組合連合」が仕切る「連合」からの離脱を実行するべきだ。

本来は、「御用組合連合」が離脱するべきだが、

彼らが居座るのなら、本当の労働組合連合の側が離脱すればよい。


御用組合連合に力はない。

主権者の連帯こそが重要である。

日本の既得権勢力は、主権者が連帯し、

野党共闘から「隠れ与党勢力」が排除されることを何よりも恐れている。

これを実現されてしまうと、2009年の政権交代成就がいつでも実現してしまうからだ。

野党共闘は民進党抜きで進めるべきだ。

民進党は単独で、ただ一人の当選者をも出すことができないだろう。

民進党を破滅に追い込むことで、民進党の自主的な分裂が促される。

「民進抜きの野党共闘」を基本に据えて、

主権者が主導して次期総選挙のオールジャパン候補を選別してゆくべきだ。

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