★ドゥテルテ比大統領訪日の報道から目が離せないー(天木直人氏)

いよいよきょう10月25日からドゥテルテ比大統領の訪日が始まる。

 楽しみだ。

 ドゥテルテ比大統領の訪日が楽しみなのではない。

 ドゥテルテ比大統領の訪日に関するメディアの報道どのようなものになるか。

 それを知るのが楽しみなのだ。

 きょう10月25日の読売新聞は、マニラ発向井ゆう子、池田慶太記者の記事として、

訪日に先駆けて行われた大統領と読売新聞の単独インタビューの模様を掲載した。

 今度の訪日で最大の問題点となるのは、

中国の南シナ海拡大の動きに対して日本とフィリピンの立場がどこまで一致するかだ。

 その中国の南シナ海拡大について、ドゥテルテ大統領は読売新聞に対し、

仲裁裁判所の判決の法的拘束力を認めた上で

「仲裁裁判の判決をふりかざせば『最終的には戦争になる』」と語ったという。

 「話し合いは平和的でなければならない」と語ったという。

 このインタビューの模様は今朝早朝の読売テレビでも放映されていたが、

そこではドゥテルテ大統領は、もっとはっきり語っていた。

 安倍首相とは南シナ海問題で時間をかけて意見交換する事になるだろうが、

南シナ海問題は中国との話し合いで解決するしかないと。

 これは、中国包囲網のためにフィリピンを取り込もうとする安倍首相の思惑とは全く反対の立場である。

 そしてドゥテルテ比大統領の事だから、読売新聞に語る言葉と、

首脳会談で安倍首相に語る言葉を使い分けるような姑息なことはしない。

 これを要するに、もし安倍首相が中国包囲網を強く迫れば、

それでは解決しないと、話し合いは平行線に終わるということだ。

 しかし、御用メディアは決してそうは書かないだろう。

 ドゥテルテ比大統領が仲裁裁判所の判決を認める発言をしたことを強調して、

「南シナ海の問題は法の支配を尊重して解決することで一致した」などと、会談の成功を報じるだろう。

 実際にところ、おなじくドゥテルテ比大統領との単独インタビューをこころみたNHKは、

今朝の放送で、すでにそのような趣旨の報道をしていた。

 ひょっとして、安倍首相と外務省は、はじめから中国包囲網を持ち出さす、

ドゥテルテ比大統領に迎合して「平和的解決」の重要性を繰り返すのかもしれない。

 そうであればメディアはウソを書かずに済み、

何よりもドゥテルテ比大統領からを地獄に落ちろと言われなくても済む。

 果たして、ドゥテルテ比大統領と安倍首相の首脳会談を関するメディアの報道は

どのようなものになるのか。

 いまから楽しみである。

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