★「日本は核武装する」と書いた米国防総省報告書の衝撃ー(天木直人氏)

きょう10月16日の東京新聞「木村太郎の国際通信」が教えてくれた。

 米国の安全保障政策に詳しいニュースサイト「ワシントン・ビーコン」が10月7日付で、

「日本は10年以内に核武装する可能性があると分析する報告書を米国防総省がまとめた」と報じたというのだ。

 それだけでも衝撃的であるが、報じられるその内容はさらに衝撃的だ。

 日本と中国が核戦争すれば、中国は日本の都市20ー30を攻撃し、犠牲者は2300万人ー3300万人に及び、

その一方で日本の反撃は、中国の都市45-60を攻撃し、2000万人から1億2800万人の犠牲者を出す、

と予想しているという。

 また北朝鮮との核戦争になった場合は、北朝鮮は日本の10都市を攻撃し100万人の犠牲者を出し、

日本は首都平壌を攻撃し110万人が犠牲になるという。

 このようなシナリオがどの程度根拠のあるものか私にはもちろんわからない。

 しかし重要な事は、この報告書が、

米国防総省で中長期の安全保障上の見通しを分析する総合評価局(ONA)が作成したものであるということだ。

 そしてこのタイミングで作成されたことだ。

 何よりも、米国との信頼関係で成り立っている日米同盟の最善のパートナーである日本に対して、

相手の米国が日本は核武装すると疑い、ここまでシミュレーションしてることだ。

 この記事が出たのが10月7日であるという。

 木村太郎という一人のフリージャーナリストがここまで書いているのに、

大手メディアはほとんど取り上げていない。

 大手メディアの単なる怠慢、無能さなのか、

それとも、日本にとって都合の悪い記事だから国民に知らせようとしないのか。

 いずれにしてもこの米国防総省の報告書は、今後の日本の安全保障論争に影響を与えざるを得ないだろう。

 核迎撃システムを強化すればするほど危険が高まり、その結果、みなが敗者になるということである。

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