★南スーダン駆けつけ警護。PKO内乱状態。
PKO5原則に反する(1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること、
②特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守ー(孫崎享氏)

A:事実関係

政府は南スーダンで国連平和維持活動(PKO)に参加している自衛隊に対し、

安全保障関連法に基づく新任務の付与を検討している。

住民や支援関係者らを守る「駆けつけ警護」がその柱である。

陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に参加している南スーダンの首都ジュバ近くで、

民間人が襲撃され多数の市民が死亡したことが明らかになった。

現地の報道によると、稲田朋美防衛相が現地視察した日に発生。

ジュバでは7月に数百人が死亡する大規模な戦闘もあり、

11日の国会審議では野党側が治安に懸念を示している。

B:ここでPKOの一般原則を外務省説明で見てみたい。

・PKOとは何ですか。

 国連平和維持活動(United Nations peacekeeping operations)のことです。

伝統的には、紛争が発生していた地域において、その紛争当事者間の停戦合意が成立したあとに、

国連が国連安全保障理事会(または総会)の決議に基づいて、

両当事者の間に立って停戦や軍の撤退を監視することで再び紛争が発生することを防ぎ、

対話を通じた紛争解決が平和裡に着実に実行されていくことを支援する活動です。

PKO参加5原則とは何ですか。

 わが国が国際平和協力法に基づき国連平和維持活動に参加する際の基本方針のことで、

1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること

2)当該平和維持隊が活動する地域の属する国を含む紛争当事者が
当該平和維持隊の活動及び当該平和維持隊へのわが国の参加に同意していること。

3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、中立的立場を厳守すること。

4)上記の基本方針のいずれかが満たされない状況が生じた場合には、
我が国から参加した部隊は、撤収することが出来ること。

5)武器の使用は、要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること。

の5つを指し、それぞれ国際平和協力法の中に反映されています。

 今、南スーダンでは上記の1)紛争当事者の間で停戦合意が成立していること

3)当該平和維持隊が特定の紛争当事者に偏ることなく、

中立的立場を厳守することの条件をすでに逸脱している。

中東であれ、アフリカであれ、外部勢力が平和のためと言って軍事介入する際は、

結局、イラクであれ、シリアであれ、アフガニスタンであれ、リビアであれ、

現地住民の被害は極めて大規模になる。

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