★北朝鮮と極秘接触していた安倍外交とその限界-(天木直人氏)

きょう10月7日の朝日新聞が一大スクープを報じた。

 北朝鮮の核実験で制裁を強化する一方で、

日本政府は拉致問題の解決に向けて北朝鮮側と極秘裏に接触していたというのだ。

 それが事実なら私は評価する。

 これこそが外交であるからだ。

 そして、その朝日新聞の記事によれば、米国側に対して、

北朝鮮と接触する事を事前に伝え、米国側は反対はしなかったという。

 米国に事前通報をしたのも正しい。

 問題は、その極秘接触が、その効果がまったく不透明だと朝日新聞に書かれているところである。

 その根拠として、日本側からは外務省アジア大洋州局の参事官レベルであることに加え、

北朝鮮側の顔ぶれが不明で、金正恩委員長にどこまで近いかもわからないという。

 これでは期待は出来ない。

 極秘裏に進めた対北朝鮮外交まではよかったが、こんな戦略のない接触では、

接触する事だけが目的になってしまっている。

 考えて見れば、安倍外交はことごとくそうだ。

 プーチンと言い、習近平といい、キューバのカストロといい、

立ち話でも何でも、とにかく会えばいい、回数を重ねればいい、というのが安倍外交だ。

 そこに戦略というものは全く感じられない。

 だから安倍首相は愚かだというのだ。

 何でも出来る一強多弱の恵まれた政治環境にあり、しかも3期9年の長期政権も手にしつつある。

 本来ならば、誰も出来ない事を行える絶好のチャンスなのに、みすみす浪費している。

 無能な指導者を持つ国民は不幸であると言う典型例である。

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