★「若者は与党びいき」と書いた朝日の欺瞞ー(天木直人氏)

少し前の記事であるが、9月30日の朝日新聞がそのオピニオン欄で一ページを割いて

「若者は与党びいき」であるという記事を掲載していた。

 そこに登場する学者(平野浩学習院大学法学部教授や山田昌弘中央大学文学部教授)は、

みずからの調査結果に基づいて、若者は自民党政権を選ぶ傾向があり、

この傾向はこれからも当分続くだろうと語っている。

 このことは、投票年齢が下げられて初めての先の参院選で若者の票が

自民党に向う傾向が見られた事で、おおかた推測はしていたが、

学者たちがあらためてそれを実証した事で、やはりそうだったかと、再認識させられた。

 私がいぶかしく思ったのは、このような特集記事を、このタイミングで大きく掲げた朝日新聞の意図である。

 朝日新聞はどこよりもSEALDsという若者グループの政治活動を称賛したメディアだった。

 SEALDsのパトロンのような学者や評論家を紙面に登場させて、

SEALDs解散をやたら惜しむ記事を特集したのも朝日新聞だった。

 その朝日新聞が、この「若者は与党びいき」という特集を組んだ意図はどこにあったのだろうか。

 SEALDsの動きが広く若者に普及しなかった事を意外に思い、識者に調べさせ、

その結果、「若者は、むしろ保守的傾向を強めている」事を知って、

それを自分たちにとどめるのではなく、読者に共有するつもりで書いたのだろうか。

 それなら、朝日は間抜けということになるが、まだ許せる。

 若者が保守化している事を知っていながら、いや、ひょっとして知っていたからこそ、

SEALDsをことさらに持ち上げ、それが失敗した今になって、このような特集記事を掲載したのなら、

あまりにも姑息だ。

 あの慰安婦誤報を認めた時から、朝日新聞はすっかりおかしくなってしまった。

 安倍政権に楯突けなくなったのに、リベラル紙のプライドを捨てきれず、

隠れて安倍政権批判を続けているごとくだ。

 この記事を読んで、私の朝日新聞に対する評価は更に低下したのである。

Reply · Report Post