★改憲論議に前のめりの蓮舫民進党はいかにも危ういー(天木直人氏)

反対するだけの政党ではない、と繰り返す蓮舫民進党を、私は危うい思いでみている。

 それが個々の政策についてならまだいい。

 安保法を廃案にするとだけ言っている限りは安心だ。

 しかし、憲法改正論議に前のめりになるのは危険だ。

 その証拠を、私はきょう9月20日の読売新聞

「政治の現場 蓮舫民進 船出」という特集記事の中に見つけた。

 その記事は、さる9月15日夕に自民党本部で行われた森英介憲法審査会長と

下村博文幹事長代行のやり取りを紹介している。

 すなわち、下村氏は森氏に対し、

26日から開かれる臨時国会における与野党の憲法論議について、

「わが党の憲法改正草案は封印して欲しい」と求めたというのだ。

 これに対し、自民党内から驚きの声が上がったという。

 しかし、下村氏は正しい。

 いまの自民党憲法改正草案はあまりにも稚拙で議論を招くものだ。

 野党ならずとも公明党も飲めない。

 そんな改正案に固執するよりも、蓮舫民進党の提案を取り入れる柔軟さを見せたほうが賢明なのだ。

 もともと自民党より改憲論の多い民進党だ。

 ここで蓮舫の唱える「新しい人権」や「統治機構改革」案を取り入れる柔軟さを見せれば、

蓮舫民進党は拒否できなくなる。

 公明党はもとより維新の党に異論があるはずはない。

 民進党さえ取り込めば、国会議員の三分の二以上はあっさりクリアできるし、

なによりも民進党が賛成すれば、国民投票で世論の半数を確保したも同然だ。

 下村氏の発言は安倍首相も了承して上での発言に違いない。

 しかもこの下村発言は、

憲法9条観において大きく異なる民進党と共産党の野党共闘にくさびを打ち込む一石二鳥の意味もある。

 憲法改正論議に前向き発言を繰り返す蓮舫・野田民進党はあまりにも危うい。

 飛んで火にいる夏の虫とならない事を願うばかりだ。

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