★加藤紘一の死去を悼む野中広務の言葉の偽善ー(天木直人氏)

加藤紘一が死去した。

 その訃報に寄せられた弔辞の中で、皆が一様に語るのが、「一度総理にさせたかった」という言葉だ。

 そして、誰もが口にするのは、あの「加藤の乱」さえなければという言葉である。

 確かにそうだった。

 加藤は、加藤の乱を起こさなければいずれ自民党の総裁・総理になっていただろう。

 しかし、加藤の乱が成功していたら、

その時は新しい政権の総理になっていた可能性が高かったことも事実だ。

 その加藤の乱を潰した張本人は野中広務だった。

 野中広務という政治家は自民党政権を守る事を最優先した男だ。

 小沢一郎をあれほど嫌ったのも、小沢一郎が自民党を分裂させようとしたからだ。

 加藤の乱を潰して加藤の政治生命を奪った野中広務が、発売中の週刊朝日で、

加藤紘一を一度は総理にさせたかったと悼んで落涙したと書かれていた。

 これほどの偽善はない。

 私が野中広務と言う政治家を信用しない理由は数々あるが、間違いなくそのひとつがこの偽善である。

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