★自動車賠償責任保険の悪事を白日の下にさらせー(天木直人氏)

私は元外務官僚だから安倍政権の間違った外交・安全保障政策に関心が向く。

 しかし安倍政権の間違いは、もちろん外交・安全保障政策だけではない。

 あらゆる政策に及ぶ。

 その中でも、国民生活の基本にかかわる税の取り立てと、その使い方の反国民性は噴飯物だ。

 そして、これは安倍政権に限らない。

 官僚組織と結託して来たこの国の政治そのものの大罪である。

 今日発売の週刊現代(9月24日・10月1日号)の「ドクターZは知っている」と言うコラムに

「6000億円の『自賠責』貸付金どう解決するか」という見出しのコラムを見つけた。

 その記事の要旨は一言で言うとこうだ。

 国土交通省は自動車損害賠償責任保険(自賠責)の保険料取り立てと運用のための特別会計を持っている。

 その特別会計に余剰金があることに目をつけた財務省が、

一般会計の不足を補てんするために国交省に貸してくれと命じて覚書と言う名の密約
(国民に知らせないという意味)を交わしたのは2010年だった。

 その返済期限が2018年に迫り、国交省は財務省に返済を迫っているが、

財務省は財政難を理由に全く応じようとしない。

 しかし、そもそも国交省の自賠責特別会計に余剰金があるというのは、

取り過ぎか、運用益であまっているか、どちらかだ。

 どっちにしても、その余剰金は財務省に貸し付けるぐらいなら国民に還元すべきなのだ。

 国民の税金を無駄遣いして財政赤字を積み上げ、

その穴埋めに他省庁の予算を流用する財務省も財務省なら、

特別会計の余剰金を自分たちで勝手に使いたい為に早く返済してくれと要求する国交省も国交省だ。

 馬鹿を見るのは「予算が無いなら増税も仕方がない」と思い込まされる国民である。

 そうドクターZは教えてくれている。

 この自賠責貸付問題については、私も過去に何度も書いた。

 予算全体の規模から言えば小さく、一般国民にとっては複雑でなじみが薄い問題だ。

 しかし、この貸付問題の中にこそ、この国の税の取り立と、その使い道を、

官僚が政治家と結託してやりたい放題しているすべてがある。

 しかも特別会計の余剰金は国交省に限らない。

 かつて埋蔵金と言う名で明るみになり、増税する前にそれを全部吐き出させろ、

という声が国民の間から起きた事があったが、民主党政権になっても解決されず、

結局はうやむやに終わってしまった。

 国民生活困窮の元凶はこの国の官僚支配にある。

 その中でも税金の取り立てと無駄遣いは国民にとって最も許せない悪政だ。

 それは政権交代が起きても克服できなかった。

 安倍政権を倒しても変わらないだろう。

 いまこそ自賠責貸付問題を白日の下にさらし、この国の予算の無駄遣いを徹底追及すべき時だ。

 その事を思い出せてくれたドクターZの記事である。

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