★原発作業員と言う名の棄民ー(天木直人氏)

なんとも言えないやるせないニュースだ。

 きょう9月8日の各紙が書いていた。

 原子力規制委員会は7日、原発など原子力施設でのテロ行為を防ぐため、

施設内で働く作業員らの身元調査制度を導入する事を決めたと。

 ここでいう作業員とは非正規雇用者に違いない。

 電力会社の正規職員であれば、わざわざ身元調査などする必要は無いからだ。

 このニュースが教えてくれる事は、

身元不明の人物をかき集めた原発事故直後の事故処理作業員が、

その後も恒常的に電力会社に雇われ続けているということだ。

 そして、彼らと電力会社の正規職員との間で、差別があるということだ。

 被ばくの危険性がある現場作業は、金に任せて非正規職員に委ねる。

 それだけでも十分な人権差別であるというのに、

ついに非正規職員を潜在テロ予備軍とみなし、身元調査に乗り出したというわけだ。

 彼らの人権など無視してもいいということだ。

 原発作業員は棄民だと言っているようなものだ。

 これに対して野党から文句が出ないとすれば、誰が原発作業員の人権を守るというのだろうか。

 ひどい政治になってしまったものだ。

 原発作業員の身元調査開始と言うニュースは、この国の国民の間に、

格差がここまで進んでしまったのか、と思わせるニュースである。

 すべてはこの国の政治の貧困さの責任である。

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