★オバマ氏、核先制不使用政策を断念か 
米紙報道核兵器の先制攻撃をするのが米国核戦略の基本の一つ。
大統領(オバマ)の力でも持っても軍産複合体の方針を変えれない米国社会。ー(孫崎享氏)

オバマ大統領が誕生し、核兵器削減を自己の重要政策として、これへの期待から、

ノーベル平和賞が与えられた。

 オバマ大統領は、黒人という少数派から出てきて、

軍産複合体やウオール・ストリートのシナリオに沿って動かすには便利な大統領であったが、

結局、実質的には彼独自の意志は何ら実現できない政権であることを示した。

A:事実関係1

オバマ氏、核先制不使用政策を断念か 米紙報道(朝日新聞、9月7日)

米紙ニューヨーク・タイムズは6日、オバマ米大統領が、

自ら検討していたとされる核兵器先制不使用政策を取りやめる模様だと伝えた。

複数の政権高官の話として報じた。

 米国の核政策を大きく変える先制不使用は、

「核なき世界」を提唱するオバマ氏の象徴な政策になるとみられていた。

同紙によると政権内で、先制不使用政策は日本や韓国などとの同盟関係を損ねるとの反対意見が出た。

中国やロシアを勢いづかせる結果になるとの議論も起きたという。

 カーター国防長官やケリー国務長官ら主要閣僚も懸念を示し、

カーター氏は先制不使用が、北朝鮮などに「米国の弱さ」だと間違った解釈をされる可能性を指摘したという。

同紙は、オバマ氏がこうした声に従う形で取りやめる可能性を指摘している。

 一方で、ワシントン・ポスト紙は、

オバマ氏が核実験禁止を求める国連安全保障理事会の決議案採択を目指す方針だと報じており、

こちらは引き続き検討するとみられる。

B事実関係2 米国は核兵器先制使用は2005年から米国核戦略の基本の一つとしてきている
(下記は私の『日米同盟の正体』から)

 二〇〇五年五月一五日付ワシントン・ポスト紙は、ウイリアム・アーキンの記事を掲載し、

「〇三年一月の米大統領命令に基づき、イラン、北朝鮮等の脅威が緊急的である状況を踏まえ、

イラン、北朝鮮の核関連施設を破棄する目的で米国核兵器の使用を許可する軍事計画CONPLAN8022が

作成された」と報じた。

 二〇〇七年九月、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院(SOAS)は、

イラン問題に関するセミナーを開催し、

ここで「イランとの戦争を考察する(Considering a war with Iran)」と題する

ダン・プレッシュSOAS国際問題センター長論文が提示された。

 「米国の国家安全保障戦略、核使用ドクトリン、戦争プランのいずれも、

司令官が大統領に核使用権限を要請できるとしている。

  現在の米国軍事指令書は

『軍事作戦実施中、通常兵器で目的が達成できないときには、目的達成のため核使用は許可する』

とされている。

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