★CIA日本政治誘導工作核心と打破の方策ー(植草一秀氏)

政治を変えるには政権を変えることが必要だ。

政権を変えるには、衆議院の多数勢力を入れ替えることが必要だ。

したがって、日本政治刷新の最大の焦点は次の衆院総選挙ということになる。

「政治を変える」とは「政策を変える」ということだ。

とりわけ重要な基本政策を変更すること。

それが「政治を変える」ということだ。

いま私たちの目の前にある重要な基本政策とは何か。

私は五つのテーマを挙げている。

原発・憲法・TPP・基地・格差

である。

安倍政権は、

原発を推進し、

憲法を改定して、日本を戦争のできる国にしようとしている。

TPPに参加し、

米軍基地を新設し、

格差拡大を容認、奨励している。

日本の主権者の多数が、この基本政策に賛成しているなら、安倍政権の存続に矛盾はない。

しかし、日本の主権者の多数が、この基本政策に反対しているなら、安倍政権の存続は矛盾である。


現実は後者であると判断される。

したがって、この矛盾を解消することが必要である。

矛盾を解消するには、衆議院の総選挙で、

後者の政策を公約に掲げる議員に議会過半数を占有させることが必要である。

しかし、現実には、後者の政策を求める主権者が多数であると考えられるにもかかわらず、

後者の政策を公約に掲げる議員が議会過半数を占有するに至っていない。

その理由が三つある。

第一は、野党第一党である民進党の政策公約が明確でないこと。

原発稼働に反対なのか、集団的自衛権行使に反対なのか、TPPに反対なのか、

辺野古基地建設に反対なのか、消費税増税に反対なのか、はっきりしない。

この「鵺(ぬえ)」のような民進党の存在が日本政治を悪くしている最大の原因である。

第二は、本来は「平和と福祉」の旗を掲げているはずの公明党が、

安倍政権に取り込まれている、あるいは、すり寄っていることだ。

公明党は政権与党に加わることを最優先課題に位置付けているように見える。

「政策より政権」というのが公明党の基本になってしまっているように見える。

公明党勢力の遊離が第二の問題だ。

第三の問題は、総選挙に際して、後者の政策を掲げる候補者が

同一選挙区に複数立候補することが多いことだ。

小選挙区制度では当選者はただ一人である。

複数候補が出馬すれば、候補者を一人に絞り込む自公候補の当選を支援することになる。


逆に考えると、この三つの問題を克服すれば、結果が変わるということになる。

そのための方策を提示しているのが「オールジャパン平和と共生」である。

衆議院総選挙に際して、

原発稼働阻止、憲法改悪阻止、TPP参加阻止、辺野古基地建設阻止、

格差拡大阻止の公約を明示する候補者を

一選挙区一候補者

というかたちで絞り込む。

民進党は「水と油の混合物」だから、党を全体として支援できない。

「選別支援」になる。

民進党が候補者を擁立しても、この候補者の政策公約が上記の5方針に反するなら、

オールジャパン支援候補にはならない。

共産党候補が上記5方針に一致する公約を明示するなら、

こちらの候補者をオールジャパン候補とすることになる。

これらの選別を、

政策を基軸に

党派にはかかわりなく、

主権者が主導して推進する。

これが

「オールジャパン平和と共生」メソッド

である。

だから、単純な野党共闘とは一線を画すことになるが、民進党以外の

社・共・生の連帯強化を推進し、ここに民進党内の「清冽な地下水」勢力の糾合を目指すことになる。


民進党が代表選を実施しているが、まったく主権者の関心を呼び起こさない。

その理由は、3名の候補者がすべて、主権者の側に立つ候補者ではないからだ。

既述した5大基本政策である

原発・憲法・TPP・基地・格差

について、安倍政権の基本政策に対峙する公約を明示する候補者が立候補するべきだった。

しかし、そのような人物は立候補しなかった。

民進党の人材が枯渇しているということでもある。

民進党のなかの「清冽な地下水」勢力が枯渇し、

大半が「汚れた油」で汚染されてしまっているということでもある。

主権者の立場からすれば、何よりも望ましいことは、一刻も早く現在の民進党が消滅することである。


参院選比例区で当選した議員は、ほとんどが労働組合の支援を受けた候補だった。

労働組合の支援なしに当選者が出ない政党になっている。

しかし、その労働組合が、上記5大政策について、主権者の側に立つ基本方針を明示していない。

民進党の支持母体である連合は、

電力、自動車、電機

の三つの産業分野の労働組合に支配されている傾向が強い。

労働組合といっても、この、電力、自動車、電機

の三つの産業分野の労働組合は、

原発稼働に賛成し、

集団的自衛権行使を容認し、

TPP参加を推奨している。

さらに言えば、

辺野古基地建設を容認し、

消費税増税まで容認する傾向が強い。

こんな政策方針を提示するなら、自公の支持母体になるべきだ。


連合に加盟していながら、これらの電力、自動車、電機の労働組合と基本政策を共有しない労働組合は、

連合から離脱するべきである。

残される連合は「汚れた油」だけになる。

「御用連合」などに組織名も変更するべきだろう。

連合は「水と油」の同居状態を解消し、「御用連合」と「清冽地下水」に分離するべきだ。

労働組合において「水と油が同居」しているから、民進党においても「水と油が同居」しているのである。


民進党が「鵺(ぬえ)」であること、

公明党が与党に取り込まれていること、

野党共闘体制がまだ確立されていないこと、

が、主権者の意思に反する基本政策を掲げる安倍政権の存立を支える基本背景になっている。

そして、この三つの状況を誘導しているのが米国なのだ。

CIAの最重要課題がこの三つであると言っても過言でないだろう。

従来の民主党においても、民主党が本当の意味での主権者政党になることを徹底的に阻止しようとした。

CIAにとって、小沢一郎氏と鳩山友紀夫氏が連携する体制が何よりの恐怖だったのだ。


CIAが恐れるもう一つの状況が

創共協定の成立

である。

共産党支持者と公明党支持者が連帯すると、最強の脅威になる。

この成立を防ぐことが日本の米国支配の最重要条件であった。

それでも、公明抜きの野党体制でも、これが一つにまとまると重大な脅威になる。

そこで、野党共闘成立を阻止する情報工作を展開している。

その中心は共産党攻撃である。

共産党に対する激しいネガティブキャンペーンを展開することにより、野党共闘を阻止する。

この役割を担うのが、民進党の「汚れた油」勢力である。


「彼を知り、己を知れば、百戦して殆からず」

の言葉を知らねばならない。

敵の策略を知り、こちらの戦略の拙さを正すことにより、結果が見違えるようになる。

「政策を軸に候補者一本化」

これを愚直に進めるしかない。

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