★安倍首相周辺、日露間平和条約締結を目指すという。
しかし締結には歯舞色丹の返還は絶対条件だ。
クリミア以降ロシアのナショナリズム高揚で
返還はプーチンでも無理のロシア有力者発言がある。ー(孫崎享氏)

A:事実関係

「産経新聞 8月29日「菅義偉官房長官が9月の日露平和条約締結交渉前進に期待 
「両首脳の率直なやり取りが不可欠だ」

菅義偉官房長官は29日午前の記者会見で、

9月2日にもロシアのウラジオストクで行われる見通しの日露首脳会談について

「今後のプーチン大統領の訪日も念頭に、

幅広い分野で日露関係全般について議論が行われる」との見通しを示した。

 さらに、北方領土問題を含む平和条約の締結交渉について

「平和条約締結問題の前進には両首脳の率直なやり取りが不可欠だ。

安倍晋三首相はそのような強い思いを胸にこの問題の議論に臨まれる」と強調した。

 その上で、今年5月に同国のソチで行われた首脳会談で安倍首相が提案した「新しいアプローチ」を念頭に、

「ソチで首相が示した経済8項目の協力プランの具体化を含む、

日露協力の現状や今後の見通しについて意見交換が行われる」と述べた。

B:評価

・日露首脳会談では平和条約締結を目指すという。

・1956年、日露間で平和条約が締結されなかったのは、領土問題解決がされなかった為である。

・私は領土問題の解決は
①歯舞、色丹は日本に返還、
②国後・択捉はサンフランシスコ平和条約の千島放棄の約束に戻り、放棄、
しかし日本国内世論を考えて「継続審議」しかないと判断している。

・1956年の、 日ソ共同宣言は「両国は両国間に正常な外交関係が回復された後,
平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。
ソ連は,歯舞諸島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。
ただし,これらの諸島は,平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする」となっており、
ソ連が歯舞色丹を返すことが前提である。

・最近ロシア側のかつて大臣経験の極めて有力者は

「①プーチンは日本に歯舞色丹の返却を考えていた、

②しかしクリミア問題でのロシア国内のナショナリズムの高揚で、

とても領土を返還出来る状況でないと発言している。

・問題は日本の在ロシア大使館やメディアがロシア側の状況をどう判断しているか
全く伝わってこないことである。

・また、安倍首相の絵に描いた餅の可能性がある。

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