★在日米軍基地、今、岩国が新たな基地化へ、市長、地元住民の反対を押し切り、
地方への財政支出を削減し、議会に造反を起こさせ、市長を追い詰め、
基地化進める手口、ここでも鮮明。-(孫崎享氏)

事実関係:F35を16機配備 外務政務官ら、市長に説明(23日毎日新聞)

米軍の最新鋭ステルス戦闘機F35の岩国基地(山口県岩国市)への配備計画を巡り、武

井外務政務官と宮沢防衛政務官が22日、山口県を訪れ、村岡知事、岩国市の福田市長に、

来年1月と8月に計16機配備するスケジュールを伝えた。米国本土以外でのF35配備は初めて。

 16機は垂直離着陸ができる米海兵隊仕様のF35B。岩国基地に現在配備している戦

闘攻撃機FA18ホーネット12機と攻撃機AV8Bハリアー8機を更新する形で、来年

1月に10機、8月に6機のF35を配備する。

B:評価

・かつては日本国内、いわゆる本土においては、米軍基地に対する激しい反対闘争があり、

米軍は日本本土よりの撤退を余儀なくされた。

・岩国においては次の経緯がある。

2002年より在日米軍の再編計画の中で、

厚木基地に配属されている空母艦載機57機などを岩国基地に移駐させる計画が浮上し、

2005年10月29日の在日米軍再編計画の中間報告に於いてこのことが公表された。

 在日米軍再編計画の中間報告を受けて、

岩国への空母艦載機受け入れを明確に拒否するべきだとする井原岩国市長(当時)と、

空母艦載機の移転そのものは甘んじて受け入れた上で

国から経済支援策を引き出すなどの条件闘争に転ずるべきだとする岩国市議会が対立した。

井原市長は岩国市住民投票条例(平成16年3月12日岩国市条例第2号)に基づく住民投票により、

住民に米空母艦載機の岩国基地への移駐案受け入れの賛否を問うことを計画した。

・2006年3月12日に行われた住民投票の結果、投票率は全有資格者の58.68%となり、住民投票は成立。

その上で、空母艦載機受け入れに反対が43,433票となり、賛成(5,369票)を大きく上回るだけでなく、

当日有資格者全体の過半数を占める結果となった。

これを受けて井原市長は、空母艦載機受け入れ反対を正式表明した。

・2006年4月23日に行われた合併後初の岩国市長選挙において、

空母艦載機移転撤回を主張した井原勝介(旧岩国市長)が、

空母艦載機移転受け入れを前提として国と協議すべきだと主張した

自由民主党推薦の新人味村太郎候補らを破り当選した。

これを受け、井原市長は改めて合併後の岩国市として空母艦載機移転に反対の態度を表明している。

・その中で防衛施設庁は、在日米軍再編計画への地元の同意がないことを理由に、

2005年より3年計画で予定されていた岩国市役所庁舎改築事業への国からの補助金を凍結し、

2007年度予算に計上しなかった。市庁舎改築事業の予算案を巡って岩国市議会が紛糾、

岩国市の当初予算が6月定例議会でも成立しないという事態に陥った。

・2008年2月10日に在日米軍再編を争点とした出直し市長選が行われた。

この選挙で、議会主流派が支持し在日米軍再編に関して国との条件交渉を求める

新人の福田良彦(元自民党衆議院議員)が移転反対を訴えた前職の井原勝介を僅差で破り当選した。

・その後、井原勝介氏支援者に対する激しい締め付けが行われてきた。

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