★良心が悲鳴をあげても止められないシリアの悲劇に思うー(天木直人氏)

シリアの空爆で犠牲になった幼い子の写真が、中東の悲劇をあらためて世界に見せつけた。

 私がレバノン大使の時、中東の悲劇はイスラエルにおるパレスチナ弾圧だった。

 パレスチナ弾圧の犠牲者を放置しておきながら、さらなる犠牲者をもたらす米国のイラク攻撃を、

私は許すわけにはいかなかった。

 私がレバノンから米国のイラク攻撃に反対した最大の理由だった。

 いま、悲劇の中心はシリアだ。

 パレスチナ問題もイラク問題も片付かないまま、シリアで底なしの悲劇が繰り返されている。

 それを誰も止められないままだ。

 私がレバノン大使だった時、パレスチナ問題が解決する日が来るのはいつだろうと

レバノンの有識者に問うたことがあった。

 返って来た言葉は、「世界の良心が悲鳴を上げるほどの犠牲者が出た時だ」というものだった。

 いままさに世界の良心が悲鳴をあげている。

 一枚のシリアの幼い犠牲者の写真がそれを強いている。

 それでもシリアの悲劇は止まらない。

 すべてはアサド政権の居座りのためだ。

 オバマの米国がアサドの排除をためらったからだ。

 プーチンのロシアがアサドを擁護したからだ。

 世界を軍事力で支配しようとする軍事覇権主義国家がお互いを譲らないからだ。

 そして、そのような軍事覇権国家同士が戦争をするようになれば、今度こそ世界は悲鳴をあげる。

 その悲劇を招かないためには、憲法9条を世界共通にするしかない。

 それを始めるのは今をおいてない。

 それができるのは日本しかない。

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