★核先制不使用見送りを同盟国の反対のせいにしたオバマ政権ー(天木直人氏)

ワシントン発共同が報じた。

 米紙ウオール・ストリート・ジャーナル電子版が、

オバマ政権が検討している核兵器先制不使用政策の宣言が見送られることになりそうだと書いたと。

 まさしくマッチポンプだ。

 核兵器先制不使用が検討されていると書いたばかりなのに、

あっさりその可能性がなくなったと平気な顔をして書く米紙は、メディアとしてあまりにも厚顔だ。

 その理由がまた噴飯物だ。

 主要閣僚と同盟国が反対しているからだという。

 オバマ大統領という政治家の信念のなさをこれほど象徴する記事はない。

 閣僚の反対を押し切って決断するのが大統領ではないのか。

 同盟国を説得して世界に率先するのが米国ではないのか。

 しかし、私がこの報道で一番注目したのが、反対する同盟国の中に日本が明記されていたことだ。

 すなわち反対している同盟国として日本、韓国、英国、フランス、ドイツの名前が挙げられている。

 しかし、日本とその他の同盟国とは、核兵器についての立場がまったく異なる。

 日本は唯一の被爆国である。

 率先して世界に核兵器廃絶を訴える立場にある。

 その日本が、その他の同盟国と一緒になって反対をしていると米国にバラされたのだ。

 米国は決してそこまでは明らかにしないだろうが、

おそらく日本が一番熱心に反対を働きかけているのではないのか。

 それが事実ならそれこそ噴飯物だ。

 この米紙の記事によれば、オバマ大統領は関係閣僚会議の場で結論を出さなかったという。

 可能性は低くなったが、まだ核兵器先制不使用を宣言する可能性は「あり得なくはない」という。

 願わくばオバマ大統領には核兵器先制不使用宣言をしてもらいたい。

 それはもちろん世界の平和のためであるが、同時にオバマ大統領ためでもあり、

なによりも日本がこれ以上恥をかかないためでもある。

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