★広島と長崎を分断したオバマ大統領の広島訪問ー(天木直人氏)

これは私の個人的印象だが、

私はかねてから原爆記念日における広島と長崎の扱いについては差があるような気がしてならなかった。

 最初に落とされたのが広島だったことや、原爆投下が市の中心だったことと、そうでなかったことの違いや、

従ってまたその犠牲の大きさ、残酷さの違いなどの理由があるのかもしれない。

 しかし広島と長崎に差があってはならない。

 にもかかわらず、またしても差がつけられた。

 それがオバマ大統領の広島訪問だ。

 時間的制約があったことは事実だろう。

 もし広島と長崎の双方を訪れる事が条件づけられたら、オバマ大統領の広島訪問はなかったかもしれない。

 しかし、それならいっそ広島訪問もなかったほうが良かったのではないか。

 そう思うほど、私は広島、長崎は平等であり、一体でなければいけないと考える。

 オバマ大統領は広島だけを訪問して帰ってしまった。

 そして、結果的に、オバマ大統領の広島訪問は広島と長崎を分断してしまったのだ。

 私がその思いを強めたのは、長崎の平和式典を報じるきのう8月10日の東京新聞の記事を見たからである。

 東京新聞は一面トップで長崎の被爆者はオバマ大統領の広島演説にがくぜんとしたと書いている。

 すなわち、空から死が落ちて来たのではない、米国が落としたんだと、その思いをぶつけたという。

 また田上富久市長はその平和宣言のなかで、核廃絶に向けて努力する事の重要性を繰り返し、

その責任をオバマ大統領に求めている。

 オバマ大統領の訪問をもろ手をあげて歓迎した広島とは明らかに様相が異なる。

 オバマ大統領の広島訪問は広島と長崎の差を決定的にした。

 広島と長崎を分断させた。

 その原因をつくった安倍首相と外務省の責任は重大である。

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