★天皇の生前退位問題、屁理屈こね、避けようとする安倍政権。右翼が怖いのだ。
利用してきた日本会議の副会長小堀桂一郎氏や理事百地章氏ら反対。
他方世論84%賛成。思わぬ形で安倍政権の本質暴露。ー(孫崎享氏)

1:天皇の退位へのメッセージは極めて鮮明である。

「次第に進む身体の衰えを考慮する時、

象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と語られました。

そのうえで、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、

安定的に続いていくことをひとえに念じる」と発言された。

2:安倍政権は「天皇の退位」意向をこれまでできるだけ過小評価しようと努めてきた。

・「宮内庁は7月13日、報道陣との質疑応答で「そのような事実は一切ない」と

報道の内容を全面的に否定しました。

一夜明けた14日も、宮内庁幹部らは陛下が生前退位の意向を宮内庁に示されたという内容を

一貫して否定しています。」(テレ朝ニュース)

・そもそも生前退位問題はNHKが報道したが、

これは宮内庁を管轄する社会部が報道に踏み切ったもので、

官邸を担当する政治部はその報道を極力抑えにかかっていたと報じられた。

・そして、生前退位の意向が鮮明になった後も、むつかしさを強調する報道が続いている。

 時事通信は「生前退位に課題山積=新元号、呼称、住居…―皇太子も不在に」

「生前退位の意向を示している天皇陛下が、「お気持ち」を表明されたのを受け、

今後、国会などで陛下の生前退位をめぐる議論が進むとみられるが、

天皇の生前退位は、現在の憲法や皇室典範では想定されていない。

実現には退位制度の新設に加え、新元号や退位した天皇の呼称、住居など、

新たに決めなくてはならない問題が山積している。

 1979年制定の元号法は、「元号は皇位の継承があった場合に限り改める」と一世一元制を規定しており、

生前退位が実現すれば新元号を決めることになる。

89年の前回の改元の際は、昭和天皇の逝去当日、

有識者による「元号に関する懇談会」の意見を踏まえ、三つの候補の中から「平成」が選ばれた。

閣議決定を経て、当時官房長官だった故小渕恵三氏が逝去の約8時間後に発表した。

 皇室典範には退位についての規定がないため、

退位後の天皇の呼称や役割についても新たに法整備をする必要がある。

歴史上、太上天皇や上皇、法皇などの呼称があったが、

「天皇より上の立場があるとの印象を与え、現代にふさわしくない」とする識者の意見もあり、

慎重な議論が必要だ。

 これらの問題は退位をすることの是非の判断の前にあまりにも枝葉末節だ。

・菅官房長官もわけのわからぬ屁理屈を述べている。

「今日、天皇陛下のお言葉があり、それを踏まえて首相が『どのようなことができるのか

しっかり考えていかないといけない』と発言しているので、

そういう中でこれからどうしていくか考えるということだ」 

菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は8日午後の記者会見で、こう述べた。

あえて具体性を欠く表現にとどめたのは、憲法4条が「天皇は国政に関する権能を有しない」と

定めているためだ。陛下のご意向に直接的に従うのではなく、

一呼吸置いてあくまで政府主導で対応を打ち出す体裁を取る必要があった。」

・こうした枝葉末節や屁理屈がどうして出てくるか。

 それは単純明快だ。安倍政権を支える右派に、生前退位に反対があるからである。

 この点についてすでにいくつかの報道がある。

日本会議副会長の小堀桂一郎氏は産経新聞で「生前退位は国体の破壊に繋がる」との

激烈な批判の言葉を発している。

「何よりも、天皇の生前御退位を可とする如き前例を今敢えて作る事は、

事実上の国体の破壊に繋がるのではないかとの危惧は深刻である。

全てを考慮した結果、この事態は摂政の冊立(さくりつ)を以て切り抜けるのが最善だ、との結論になる」
(産経新聞7月16日付)

 本会議理事でもある百地章・日本大学教授も朝日新聞にこう語っていた。

「明治の皇室典範をつくるときにこれまでの皇室のことを詳しく調べ、

生前退位のメリット、デメリットを熟考したうえで最終的に生前譲位の否定となった。

その判断は重い。生前譲位を否定した代わりに摂政の制度をより重要なものに位置づけた。

そうした明治以降の伝統を尊重すれば譲位ではなくて摂政をおくことが、

陛下のお気持ちも大切にするし、今考えられる一番いい方法ではないか」(朝日新聞7月14日付)

 日本会議が「生前退位」の最大障壁となる可能性、天皇の意向伝えるうえで本件報道NHKがリード。

天皇の意向を伝えようとする社会部、抑えようとする政治部の確執の中、

NHKは「天皇陛下 お気持ちに退位の意向 強くにじむ」と
報道2016年07月25日 07時00分 NEWSポストセブン)

 朝日新聞は世論調査―生前退位・質問と回答〈8月6、7日実施〉で

「生前退位」をできるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。賛成84%、反対5%と報じた。

 生前退位おいう国民に分かりやすい問題で、

これに反対する安倍政権の体質が暴露されるかもしれない。

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