市村 悦延 · @hellotomhanks
31st Jul 2016 from TwitLonger
★羽田騒音報道から抜け落ちている「横田空域」問題ー(天木直人氏)
二日ほど前の各紙が小さく報道していた。
すなわち羽田発着の国際便増にともなって検討されていた首都圏の新飛行ルートについて、
国交省は関連工事費を概算要求に盛り込むことを決めたと。
騒音や危険不安で住民の根強い批判がある中で、関係自治体との理解が進んだと判断したからだと。
この羽田発着国際線増便は、先の日米航空交渉で合意されたものだ。
外国観光客の拡大を狙い、羽田空港の国際飛行場としての競争力を高めるという国策に沿ったものだ。
その結果、羽田の発着回数は飛躍的に増える。
新ルートの検討が必要になり、当然ながらそれに伴う周辺住民に及ぼす悪影響も高まる。
この羽田新ルートをめぐる国と地方自治体の協議は、
今後も住民の安全と健康をどう守るのかという問題と絡んで大きな問題となるであろう。
そこで私の頭に思いがよぎるのは、いわゆる「横田空域」という言葉で象徴される、
東京上空の米軍支配である。
日本は主権国家でありながら東京上空の主要空域を完全に米軍に支配されて来た。
その結果、米軍機の飛行が優先され、東京空域に飛来する民間機はそのルートを制限されて来た。
その結果、どれだけ不便で危険なルートを強いられてきたか、日本国民はほとんど知らされていない。
今度の羽田国際便増便に伴う新ルートの協議は、国と地方自治体の協議の前に、
まずは日本政府と米国政府が協議する問題だ。
巨大な空域を米軍から取り戻す協議が優先されなければいけない。
しかし、日本政府には米軍と交渉する権限はない。
いわゆる「横田空域」問題だ。
日米安保密約のほんの一部だ。
しかし、「横田空域」に触れる報道は皆無だ。
メディアが「横田空域」の事を知らないはずがない。
知ったところでどうにもならないから書かないのだ。
羽田国際線の増便をめぐるあらゆる報道の裏には、戦後70年経っても、
東京上空が米軍に支配されているという不都合な現実があることを忘れてはいけない。
そして、その不都合な現実を、この国もメディアも、国民には決して教えようとはしない。
その事を国民は知らなければいけない。