★「東京五輪を反テロ結束の舞台にせよ」と書いたアーミテージー(天木直人氏)

ついにドイツでもテロが起きた。

 同じころに起きたアフガニスタンのテロも深刻だが、それを吹っ飛ばすようなドイツのテロの衝撃だ。

 テロ事件が起きるたびに為政者が繰り返す、「テロを許さない」、「テロに屈しない」、

というきまり文句が、ますますむなしく響く、絶望的な状況に世界は突き進んでいる。

 そんな中で、きょう7月24日の読売新聞「世界を読む」で、

リチャード・アーミテージ元米国務副長官が書いている。

 五輪を通じて世界各国が団結すれば、選手の競技だけでなく、平和と安全についても事態は変わるだろう。

2020年の東京がその前例となることは可能だと、私は信じている、と。

 東京五輪を反テロ結束を示す舞台にしろというわけだ。

 なんという根拠のない、無責任な言葉だ。

 反テロ結束どころか、東京五輪はどうやってテロを防ぐかが最大の懸案になっているに違いない。

 いや、4年後の世界はどうなっているかさえ見通せない。

 それをアーミテージが知らないはずはない。

 それにも拘わらず、東京五輪を「反テロ結束を示す舞台」にせよ、

日本ならそれができる、などとおだてるアーミテージは、日本を馬鹿にしているようなものだ。

 こんなアーミテージの言葉をありがたく一面トップに掲載する読売新聞は、

読者を馬鹿にしているようなものだ。

 そういえばこのアーミテージは、かつてパキスタンのムシャラフ大統領に、

米国の言う事を聞かなけばパキスタンを石器時代に逆戻りさせてやる、と暴言を吐いた男だ。

 そのことをムシャラフ大統領にばらされた男だ。

 ベトナム停戦に応じた米国政府の決定に反対し、

最後まで戦うと言ってベトナム戦争の最前線に立ち続けたアーミテージには、その言葉こそ似合っている。

 東京五輪を平和の祭典にしろなどと、似合わない事を書くから私に噛みつかれるのである。

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