★鳩山元首相のAIIB諮問委員任命を正しく評価する方法ー(天木直人氏)

きょう7月16日の毎日新聞などが、共同通信の配信を引用して小さく報道していた。

 7月15日付の中国英字紙、

チャイナ・デーリーはアジアインフラ投資銀行(AIIB)が

日本の鳩山由紀夫元首相をAIIB「国家諮問委員会」の委員に任命したと伝えたと。

 これで正式に鳩山氏がAIIBの委員になったというわけだ。

 この鳩山氏の委員引き受けについては、それが伝えられた時から批判的な見方がなされた。

 日中関係が悪化したままの中で、

日本政府が認めていないAIIBに日本の元首相を招くのは中国の日本分断策だ、

そのような中国の思惑に乗って喜んで委員を引き受けるのは売国的だと。

 この批判が当たっているかどうか。

 それを見分ける有効な方法がある。

 それはAIIB「国際諮問委員会」の全メンバーを見てその人物評価をし、

それぞれの国の反応を見ればいいのだ。

 そのフルリストを発表した日本のメディアはいまのところ見当たらない。

 しかし、中国政府はもちろん発表しているに違いない。

 そして、たとえ委員の全員がわからなくても、米国の委員を見るだけでも十分だ。

 鳩山氏の委員任命を報じる共同通信のその記事は、

米国からも、アジア開発銀行元幹部のポール・スぺルツ氏が委員に任命されたと報じている。

 このポール・スぺルツ氏がどのような人物であるか、

そしてこのポール・スぺルツ氏の任命についての米国政府・世論の評価を見るだけでいい。

 なにしろAIIBに反対している国は日本と米国ぐらいしかないからだ。

 アジア開発銀行の元幹部であるというから日本の財務省はその人物を良く知っているはずだ。

 そして、このポール・スぺルツ氏の任命について、米国政府や世論がどう評価しているかを調べるのだ。

 おそらくポール・スぺルツ氏は「宇宙人」と呼ばれるような人物ではなく、

米国政府もポール・スぺルツ氏の委員任命に不快感など示してはいないはずだ。

 ましてや米国世論がスペルツ氏の任命について、全く関心が無いということはあっても、

売国奴呼ばわりすることなど100%ないだろう。

 これを要するに、鳩山氏のAIIB委員について問題視しているのは日本だけではないのか。

 いや、私が間違っているかもしれない。

 このポール・スぺルツ氏は変わり者で、

米国もこのポール・スピルツ氏の任命に不快感を示しているのかもしれない。

 その場合は中国の分断作戦という見方は当たっているということになる。

 中国は見え透いた分断作戦を行うつまらない国だということになる。

 どっちにしてもはっきりする。

 メディアはAIIB[国際諮問委員会」のメンバーを明らかにして、

それら人物の分析と評価を国民に知らせるべきだ。

 メディアがそれをしないなら、鳩山元首相はみずからそれを行って、自分の正しさを証明すべきである。

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