★利権まみれの都政構造打破する新知事を選出ー(植草一秀氏)

7月31日に投票日を迎える東京都知事選で主権者が判断するべきことは、

「安倍自公政治の是非」

である。

石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一

の3名による都政の混乱に終止符を打ち、都政に新しい風を吹かせること。

これが今回都知事選の意義である。

猪瀬、舛添の両氏は、

「政治とカネ」

の問題で辞任に追い込まれた。

舛添氏が海外視察に多額の費用をかけたことが問題視されたが、

この点でさらに重大な問題を有していたのは石原慎太郎氏である。

これらの都政を全面的に支えてきたのが

自公勢力

であり、

この

「自公が支える都政の刷新」

「都政における利権構造の打破」

こそ、今回の都知事選の意義である。

安倍自公政権の暴走を止める。

その是非を問う、首都での決戦が今回の都知事選である。


この都知事選で安倍自公勢力は致命的な失敗を犯した。

自公勢力から2名の候補者が出馬してしまった。

対する反・安倍自公勢力は、ぎりぎりまで候補者の一本化が実現するか、

不透明だったが、ぎりぎりのところで、宇都宮健児氏が大英断を下し、見事に候補者一本化に成功した。

NHKが天皇の生前退位報道を行ったのは、反・安倍自公陣営が候補者一本化を決定した直後である。

このニュースのインパクトを弱めるために、このタイミングで表に出したのだと推察される。

NHKの堕落、権力迎合は目に余る。

放送受信契約の任意制への移行が急務である。

それほどまでに、野党の候補者一本化の衝撃は大きいはずである。

インターネットの有力ポータルサイトでは都知事選報道の伝え方が偏っている。

ポータルサイトを運営する大手情報通信業者が政治権力側に位置しているから、

ニュースを伝える際に徹底した作為的調整を施している。

偏向しているのはマスメディアだけでなく、インターネット上の情報も強く操作されている。

マスメディアが偏向しているから、ネットから情報を入手すれば良いのではない。

ネットのなかから、良質な情報を選別し、

そのパイプから情報を得ることを意識して実行することが重要である。


オールジャパン平和と共生の顧問をされている弁護士の伊藤真氏と共著

『泥沼ニッポンの再生
 -国難に打ち克つ10の対話-』

https://goo.gl/7CYc2X

を上梓した。

7月12日付日本経済新聞、

7月14日付朝日新聞

に広告が掲載された。

アマゾンにも良質なレビューが掲載された。

日本の舵取りを安倍政権に任せていいのか?
NO!!「憲法改正」「原発再稼働」「TPP批准」「辺野古基地」「格差拡大」
私たちの未来は、私たちが決める! !

「誰かが変えてくれる」から
「自分たちで変える」へ

第1章 史上最大の危機
第2章 三権分立が機能していない日本
第3章 緊急事態条項と本当の民主主義
第4章 主権の喪失を意味するTPPへの加入
第5章 国家なのか、国民なのか?
第6章 亡国の道をひた走る安倍政権
第7章 メルトダウンするアベノミクス
第8章 すべてを解決する「一人一票」の実現
第9章 教育とメディアリテラシー
第10章 ゆっくりと急げ!

の内容である。

第9章で、こちら側のポータルサイトの創設を提唱した。

「安倍政治を許さない!」側のインターネット情報の入口になるサイトの創設が必要であると思う。

NPJ
http://www.news-pj.net/

レイバーネット日本
http://www.labornetjp.org/

るいネット
http://www.rui.jp/

など優れたサイトが存在するが、

優良なネット情報の総合入口になるサイトの創設を連帯の力で実現する必要がある。


都知事選が告示され、安倍改憲勢力は、鳥越俊太郎氏の当選を阻止するために、

あらゆる手段を講じてくると思われる。

既得権勢力にとって最大の天敵は

高い投票率

である。

このために、都知事選に対する有権者の関心が高まらないように、あらゆる手を尽くしてくるだろう。

NHKの皇室報道はその第一弾である。

同時に彼らが注力するのが、鳥越氏に対するネガティブキャンペーンである。

東京オリンピックがあり、オリンピック利権を極大化するためには、

利権勢力の言いなりになる与党系知事が必要不可欠なのだ。

与党の利権獲得を妨害する野党知事は目障り以外の何者でもない。


今回の知事選において東京都民が選別の第一の基準にするべきことは、

オリンピック利権の膨張を阻止し、利権にしっかりとメスを入れられる人物

であるかどうかの見極めである。

この点でベストな人物は宇都宮健児氏であった。

しかし、選挙において何よりも大事なことは

当選すること

である。

当選しないことには、何も始まらない。

宇都宮健児氏が統一候補として擁立されれば、

勝利する可能性は極めて高かったと思われるが、

紆余曲折があり、鳥越俊太郎氏が反・安倍改憲勢力陣営の統一候補として擁立された。

オリンピック利権の膨張、利益誘導行動を阻止するには、

こちら側の統一候補を当選させることが絶対に必要である。


同時に東京都の首長は他の道府県とはまったく異なる。

首都東京の首長は首都の政治スタンスを象徴する。

原発や憲法、TPPや消費税などの問題についても、明確な見解と方針の明示が求められる。

原発は東京都民と切っても切り離せない。

東京自身が福島原発事故で放射能汚染されている。

原発で生産される電力は首都圏の需要を賄うためのものだ。

そして東京都は原発を運転する東京電力の株主でもある。

原発NOなのかYESなのかは、都知事選の最大争点のひとつである。


子育て、高齢者問題、災害対策は都民の最重要問題だ。

都知事の仕事は、これらの問題について、

問題解決を図る際に、誰の知恵、誰の提言を採用するのかを決めることである。

誰の提言を重視し、どのようなスタンス、哲学、思想によって、

これらの施策を遂行するのかが重要なのであって、知事本人が各問題のエキスパートである必要はない。

政治家の仕事は、ビジネスではなく、公職である。

ところが、与党利権政治集団に属する政治家は、政治を公職とは捉えず、「ビジネス」と捉えている。

舛添知事の公私混同はむろんのこと間違っているが、

東京都議の多くが、議員職を利権職であると理解していると見られる。

この構造にメスを入れて、都政に清冽な地下水が流れるようにすること。

これが新しい東京都知事の最大の役割である。


オリンピックを控えて、都政の利権構造を刷新するのか。

それとも、利権まみれの都政の構造を継続させてしまうのか。

これが都知事選の最大の焦点である。

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