★宇都宮氏大英断に応え都知事選を必ず勝ち抜くー(植草一秀氏)

東京都知事選が告示された。

投票日は7月31日である。

昨日のブログ記事

「反自公陣営は万難排し候補者一本化完遂せよ」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-105d.html

に、反自公サイドの候補者一本化の必要性を強く訴えた。

7月12日には、ニュースサイトである

”NET IB NEWS”

が拙ブログ記事「首都東京奪還する千載一遇チャンスを生かす」

を紹介し、次の見出しリード文を掲載した。

「NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。

植草氏は東京都知事選に注目。

自公がそれぞれ候補者を立てようとしている状況をチャンスと捉え、

民進党が擁立する鳥越俊太郎氏で野党統一候補が実現するかもしれないと期待を掛けている。」

http://www.data-max.co.jp/280712_uk_1/

反自公陣営の主力候補として宇都宮健児氏と鳥越俊太郎氏が出馬の意思を表明した。

自公サイドは小池百合子氏と増田寛也氏の2名が出馬の意向を表明し、分裂選挙になる可能性が高まった。

反自公陣営が候補者を一本化できれば、勝利できる千載一遇のチャンスになる。

何としても候補者の一本化が求められる局面であった。


この状況下で宇都宮健児氏が出馬取りやめの判断を下した。

見事な大英断である。

皆のために我が身を捨てる決断を示された。

心からの敬意を表したい。

日本の政治に欠けていた美徳を宇都宮氏が示された。

日本の政治を支配しているのは、

「自分が、自分が」

という

「我欲」=「エゴ」

ばかりである。

この

「我欲」=「エゴ」

が日本政治を地の底まで突き落としてきた。

このなかで、宇都宮氏が初めてこの美徳を回復させた。

この宇都宮氏の大英断を必ず結実させねばならない。


7月4日付ブログ記事

「都知事選に期待される候補者の乱立」

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-0e56.html

に次のように記述した。

「原発・憲法・TPP・基地・格差
の問題で、安倍政権勢力の主張と重なる主張を示す候補者には、できるだけ多く立候補してもらいたい。
この考えを持つ主権者の投票が分散するからである。」

「何よりも大事なことは、こちら側の候補者を一本化することだ。
前回都知事選で次点に泣いたのが宇都宮健児氏である。
主権者の側の候補者としては最有力の候補者になる。
安倍政権と類似した政策を提唱する候補者が乱立し、
こちら側の主張を提示する候補者が1人に絞り込まれるなら、
宇都宮健児氏にしろ、他の統一候補にしろ、十分に勝算が生まれてくる。」

安倍自公政権の政策主張と重なる主張を示す候補者が乱立することが望ましいこと。

そして、反自公陣営が候補者をただ一人に絞り込むことが重要であることを主張した。

この間、一貫して、こちら側の統一候補として最良の選択は宇都宮健児氏であると考えてきた。

しかし、宇都宮氏が統一候補として擁立される条件が整うのかどうかが不透明であった。

その最後の局面で鳥越俊太郎氏が浮上し、

こちら側の候補者が宇都宮氏と鳥越氏の2名になる状況が生じた。

この局面で身を引く決断を示すことは極めて難しい。

しかし、その大英断を宇都宮氏が示された。

この大英断に敬意を表し、「安倍政治を許さない!」と考える主権者は、

今回の東京都知事選を必ず勝ち抜かねばならない。

それが、宇都宮氏の大英断に対する私たちの責務である。


この経過の途上で古賀茂明氏の名前が浮上したが、古賀氏は統一候補にはなり得なかった。

それは、古賀氏の経済政策の主張が「新自由主義」の範疇に分類されるからである。

古賀氏が提唱する

「改革はするが戦争はしない」

の「改革」は新自由主義の色彩を色濃く持つものである。

私は「官僚機構の無駄を省くこと」には大賛成だが、新自由主義の経済政策には反対する。

その新自由主義経済政策の集大成とも言えるものがTPPであり、

古賀氏はTPP推進の主張を展開しているのである。

古賀氏が統一候補として擁立されることはあり得なかったが、

仮に民進党が古賀氏を擁立した場合には、宇都宮氏の出馬取りやめもなかったと思われる。

この情勢で選挙戦に突入した場合には、「安倍政治を許さない!」側の主権者は、

宇都宮健児氏を統一候補として全面支援することになったと考える。


このなかで鳥越俊太郎氏が候補者として浮上し、

野党4党が鳥越氏を統一候補者として擁立する動きが出て、最終的に宇都宮氏が身を引く決断を示された。

宇都宮氏の決断は、文字通りの大英断である。

本来は、鳥越氏を野党4党の統一候補者として擁立する協議の場に、

鳥越氏と宇都宮氏を招き、この2名と4野党が協議して統一候補者を決定するべきであった。

しかし、民進党の一部に宇都宮氏の統一候補としての擁立に反対する勢力が存在し、

この協議が実現しなかったのだと推察される。

そのために、適正な手続きが踏まれなかったのだと考えられる。

宇都宮氏にとっては文字通り苦渋の決断になったはずだ。


NHKが皇室問題を発表したのは、

野党候補一本化のニュースを可能な限り薄めるためであったと考えられる。

安倍自公陣営にとっては痛恨の一撃になった。

テレビに出演する御用政治評論家などは、

「大変な状況になった」

などと発言しているが、この発言自体が放送の政治的中立を逸脱したスタンスを如実に示す。

安倍自公側が分裂選挙になり、反安倍陣営が候補者一本化を実現することは、

「安倍陣営にとって大変な状況」

だが、

「反安倍陣営にとっては大歓迎する状況」

だからだ。

いかに現在のメディアが安倍政権陣営側にどっぷりとつかり込んでいるのかがよく分かる。


首都東京を主権者勢力が奪還する千載一遇のチャンスが到来した。

選挙期間に突入したが、絶体絶命の権力側は激しい情報工作を展開してくると予想される。

鳥越氏に対するありとあらゆる攻撃が展開されることになるだろう。

フジテレビなどは、早速「筆跡鑑定師」などを動員して、偏向人物評定まで始めた。

すでにない放送局の品位をさらに引き下げるだけである。


7月10日に実施された東京選挙区における得票数は以下のとおりだった(単位:万人)。

安倍改憲勢力サイド

自民  中川雅治  88.5
    朝日健太郎 66.6

公明  竹谷とし子 77.1

お維新 田中康夫  46.9

こころ 鈴木麻理子 10.2

反安倍改憲反対サイド

民進  蓮舫   112.3
    小川敏夫  50.8

共産  山添拓   66.6

無所属 横粂勝仁  31.0
    三宅洋平  25.7

社民  増山麗奈   9.4

諸派  小林興起   8.2

安部改憲勢力サイドが   287.2万票

反安倍改憲反対サイドが  304.0万票

である。


鳥越俊太郎氏は、反安倍・改憲反対勢力の統一候補である。

こちらの側に立つ主権者が大同団結すれば鳥越俊太郎氏の当選を必ず実現できる。

「小異を残して大同につく」

大同団結

連帯

が何よりも重要である。

参院選で、北海道・秋田を除く東北・新潟・長野・山梨

で反安倍・改憲反対勢力が勝利した。

日本の国土面積の45%を占める地域で反安倍・改憲反対勢力が勝利した。

また、沖縄でも反安倍・改憲反対勢力が大勝した。

さらに、鹿児島県では川内原発運転停止を公約に掲げた反安倍・改憲反対勢力の側の候補が

現職候補を打ち破り、見事に勝利した。

ここで、首都東京の施政権を奪還することは極めて重要だ。

北海道・東北・甲信越・鹿児島、そして東京から新しい風を巻き起こす。

権力の情報操作、情報工作に絶対に負けず、この選挙を必ず勝ち抜こう!

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