★朝日新聞、参院選挙報道精査すれば、もう「新聞」(重要出来事・論点を報ずる)ではない。
「新聞」のふりをした政府隷属機関だ。国民は朝日新聞の現状を知る必要がある。-(孫崎享氏)

昨日、ブログで「日本を悲劇に導く根幹は、

今日本の報道の自由度は世界で72番目と異常な状態なのに、

国民はそのマスコミに大幅信頼よせている」と指摘した。

 NHKが酷いのは、籾井勝人氏がNHK会長である事、国谷氏が降板させられたことで、

かなりの国民はその偏向ぶりは理解している。

 また新聞においても、読売新聞は、政府と一体となった新聞と言う理解も多分行われている。

 問題は朝日新聞だ。かつてはリベラル紙を標榜し、

政府批判をも行える新聞との評価がなされていた。読者はそのイメージをひきづっている。

 今回の参院選挙報道を精査すれば、全く違い、安倍政権が日本を危機に導こうとする中で、

安倍政権に忠誠を貫く、安倍報道機関に過ぎないことを露呈している。

しかも、悪いことに、あたかも客観的だという仮面を持っているだけにしまつが悪い。

 いくつか、具体的に見ていくこととする。

 朝日新聞7月7日夕刊は連続して記載している「2016参院選」のシリーズで

「身近な雑誌、政治特集」「漫画誌やファッション誌で」のタイトルで報道した。

 今、大手マスコミがきりこまず、週刊誌が政治問題の確信をついていることが注目される。

女性自身7月19日号グラビアで「日本が危ない!選挙へ行こう!!」

「最大の争点は〝改憲〟。日本は大きな岐路に立っています!」と特集記事。

安倍自公政権、大阪維新などの改憲勢力により平和、民主主義そして基本的人権が

最大の危機にある!と報じた。

更に荻原博子「参院選後に私達を襲う8つのムチ、年金カット、配偶者控除の撤廃」等も記載した。

7月19日号は7月5日発売であるから、7月7日日の新聞掲載には、5日、6日の2日がある。

で、7日の夕刊はどう報じたかと言うと「改憲草案は一見問題がないように見えるが、

よくよく読むと国民に様々な制約が課されかねない内容」との編集長談話を掲載している。

「改憲草案は一見問題がないように見える」ではないはずだ。

ともあれ、女性誌を報道する形を取りながら、最新号の「日本が危ない!選挙へ行こう!!」

「最大の争点は〝改憲〟。日本は大きな岐路に立っています!」は報じない。

7月5日スクランブル交差点「訴え音のるつぼに」

午後4時野党党首の練り歩きが始まった。

「握手しても触ってもいいですよ」午後6時安倍首相が候補者の応援に姿を見せた。

「最大のテーマは経済政策」と力をこめ、聴衆から拍手が湧く。

渋谷スクランブル交差点での最も大きな出来事は三宅洋平が選挙フェスタで

大量の聴衆を集めたことだろう。全く言及がない。

朝日は「2016参院選 東京の風景」を朝刊で連載した。

7月1日「タワマン林立地方が見ると」「人材と富 田舎に還元を」、「地方創生」を掲げ、

一極集中の是正に向けて「意欲ある自治体を支援する」と打ち上げた安倍政権。。。

3日「今こそ憲法を考えよう」

4日「選挙の前にこの一冊。書店長とコミック担当に聞く」

6日「街角から1/1122万票」JR秋川駅前 聞こえぬ演説の声

7日「動画に工夫思い届け」

8日「街角から1/1122万票」閑静な中熱い賛否、杉並区向井公園

朝日新聞の一連の報道は徹底した争点隠しと候補者隠しである。
時折、安倍首相の発言、動向を入り混ぜさせる。実に巧妙な操作である。

 朝日新聞の記者は優秀である。なんとなくもっともらしい記事を書く。

だが選挙戦徹底しているのは

①安倍政権に批判的論調は明確に出さない、

②重要争点には言及しない、

③選挙報道はしているというアリバイ作り紙面は作るが、投票とは全く関係ないトピックを連ねる。

④安倍首相の主張は巧みに滑り込ませる。

 朝日新聞はリベラルの新聞でもなければ公平でもない。「新聞」を装う「安倍政権機関紙」だ。

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