★バングラデッシュのテロ事件を報じる記事を読んで思うー(天木直人氏)

 バングラデッシュで起きたテロ事件で7名の邦人が犠牲になった。

 ここまで多数の邦人がイスラム国の無差別テロに巻き込まれた事はこれがはじめてだ。

 もはや、いつ、どこで、日本人に何があっても不思議ではない。

 しかし、この深刻な事態を前にして、きょうの各紙に書かれている事はあまりにも的外れだ。

 テロを許さないと怒るだけではどうにもならない。

 バングラデッシュ政府の警備不足を批判してどうする。

 親日的な国で起きたと残念がってどうする。

 援助をしていた国を襲うのはけしからんと言うのは傲慢だ。

 こんなことまで安倍政権批判の口実にして選挙を戦う野党は情けない。

 いま大手各紙が訴えるべき事はどうすれば犠牲を防げるかだ。

 バングラデッシュがテロの危険にさらされていたことは分かっていたはずだ。

 イスラム国のインターネット広報誌「ダビーク」を見れば、犯行予告していた事が分かったはずだ。

 トルコで起きたテロの深刻さに気づかなかったとでもいうのか。

 米国をはじめとした有志連合の空爆が激化している現実を見過ごすのか。

 それにしても、JICAの責任者が集団的自衛権行使を容認した北岡伸一氏である事は知らなかった。

 ついこの前までは田中明彦氏ではなかったのか。

 田中氏も北岡氏もイラク攻撃を支持した東大の御用学者だ。

 JICA理事長の職がいつの間にか御用学者の論功行賞の指定席になっていたのだ。

 そして田中氏も北岡氏もイラク攻撃を堂々と支持した国際政治学者だ。

 イラク攻撃こそイスラム国を作り出した元凶であることはいまや世界が認めている。

 バングラデッシュのテロ事件を報じるきょうの記事を読むと、すべてがつながってくる。

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