★見事に成功した東電第三者検証委員会報告書の民進党つぶしー(天木直人氏)

東電の第三者検証委員会報告書に、さっそく菅直人元首相や枝野幸男元官房長官は猛反発した。

 当然だ。

 官邸側への事実確認をせず、

官邸に責任を押しつけて東電寄りの報告書を発表した第三者検証委員会報告書に、メディアもまた批判的だ。

 そして、そのような検証を第三者委員会にゆだね、その報告書を受け取り公表した東電に対する批判も当然だ。

 しかし、すべては、そのような報告書が発表されてしまった時点で終わりだ。

 民進党つぶしは見事に成功したのである。

 安倍自民党政権が意図的にそうしたかどうかはわからない。

 しかし、安倍政権の民進党つぶしだと、民進党が騒いでみてもむなしい。

 さわげばさわぐほど民進党に火の粉が返って来る。

 明確な指示をしなかったとしても、

メルトダウンを認めたら国民はパニックになるという認識が官邸にまったくなかったと言えるのか。

 その挙証責任は菅直人、枝野幸男側にある。

 たとえ官邸が明確な指示をしなかったとしても、

当時の政府・官僚たちがそう考えなかったか、それを証明せよという事になる。

 直ちに危険であることにはならないと繰り返していた枝野官房長官の責任はどうだ、ということになる。

 そして、この問題を騒げば騒ぐほど、炉心溶融隠しの事実関係を徹底検証しろということになる。

 さっそくきょう6月18日の朝日が社説で書いた。

 国政調査権を使って国会は事実を徹底的に解明せよと。

 おそらくはそうならないだろう。

 そうなればあの時の悪夢がよみがえり、だまされた国民が怒り出す。

 政権を取っていた当時の民主党政権はもとより、東電も、原発推進の自民党も、すべて窮地に立たされる。

 炉心溶融隠しを示唆した東電第三者検証委員会報告書があぶりだした諸問題は、

結局、何ひとつ解明されず、放置されて終わる。

 残ったのは当時の責任者に対する疑惑だけだ。

 そして最大の被害者は、いつまでたっても何も知らされないままの国民である。

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