★今ごろ中国軍艦接続水域航行に抗議した外務省の不思議ー(天木直人氏)

きょう6月14日の読売や産経(共同発)が一段の小さな記事で報じた。

 在北京日本大使館の伊藤康一次席公使は12日夜、

中国外務省に肖千アジア局長を訪ね、

中国軍艦が9日に尖閣沖の接続水域に侵入したことに対して「重大な懸念}を示し、厳重に抗議したと。

 この記事を読んで私は驚いた。

 いまごろになってもまだこんなことをやっているのかと。

 しかも大使ではなく公使であり、その公使の中でも、筆頭公使ではなく次席公使だという。

 とても本気で抗議しているとは思えない。

 日本が大騒ぎした中国軍艦の接続水域航行事件は、わずか一日で終わった。

 その後、どのメディアもこの問題のその後について、見事に書くのを止めた。

 私は、日本がひとり大騒ぎをして、あっという間に鎮静化したこの中国接続水域航行事件は、

防衛相制服組の情報に踊らされた日本のひとり相撲だったのではないかと思っているが、

その事については、ここでは書かない。

 日本はすでにあの事件が起きた直後の9日に、

東京で外務省の斉木次官が程永華在京中国大使を異例の午前二時に呼びつけて厳重抗議し、

一蹴されている。

 なぜ事件が終わった今頃になっても、また、同じような抗議をしたのか。

 しかも、厳重抗議するなら、少なくともわが大使が中国の外務大臣や外務次官に抗議すべきだ。

 下っ端官僚に抗議させて中国がハイわかりましたと言うはずがない。

 外務省はもっとまじめに仕事をしろ。

 そう思って関連記事を調べていくうちに、

読売新聞のインターネット版(読売オンライン)にこう付け加えられていた事を見つけた。

 すなわち、斉木次官が程永華大使を呼んで抗議した時に、

同時に北京でも中国側に改めて抗議するため、面会を求めていた。と

 これですべてが氷解した。

 中国は北京のわが大使の抗議申し入れを無視していたのだ。

 すべてが終わった後の、しかも日曜日である12日の夜に、抗議したければ来い、と言ってきたのだ。

 ここまで軽くあしらわれては、さすがにわが大使がのこのこ出かけるわけにはいかない。

 「おまえ、代わりに行って来い」というわけで、

次席公使が行かされて中国のアジア局長と会い、

「厳重抗議」と、「日本の抗議は受け入れられない」、というセレモニーをしてきたというわけだ。

 このニュースの意味は、まさしくそのことだけである。

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