★TPPは参院選の最重要争点の一つだー(植草一秀氏)

参院選まで1ヵ月を切って最初の日曜日。

本日6月12日午後2時から3時半の予定で、

東京有楽町マリオン前で、

TPP批准阻止・TPP参院選争点化を訴えるリレートークが実施される。

http://tpp.jimdo.com/2016/05/30/6-12-yurakucho/

TPP批准阻止・TPP参院選争点化を訴えるリレートークが実施される。

以下の方々がスピーチをされる予定である。

・原中勝征(前日本医師会会長)
・山田正彦(元農林水産大臣)
・石田正昭(日本協同組合学会会長)
・山根香織(主婦連参与)
・醍醐總(東京大学名誉教授)
・安田節子(食政策センタービジョン21)
・野々山理恵子(生活協同組合パルシステム東京)
・植草一秀(オールジャパン平和と共生)
・孫崎享(元外交官)
・ママデモ
・ママの会 

TPPは参院選の最重要争点の一つだ。

私たちのいのちとくらしを根底から脅かす、重大なことがらだ。

日本のことを私たちが決められなくなってしまう条約でもある。

ぜひ、散歩がてら、有楽町マリオン前にお越し賜りたい。


選挙に向けて、5月24日に

世界友愛フォーラム勉強会で話をさせていただいた動画映像を

東アジア共同体研究所

http://www.eaci.or.jp/

がYOU TUBEで公開くださっている。

「安倍政治の本質とブレイクスルーの方策」

https://www.youtube.com/watch?v=AYaIEPu5vTk

ご高覧賜れればありがたい。

安倍政治の本質とは何か。

一言で言えば、米国への隷従である。

安倍首相の祖父にあたる岸信介氏は戦犯容疑者であったがGHQによって釈放された。

そして、公職追放を解かれ、首相の地位に上り詰めた。

その政治活動を全面的に支援したのが米国である。

米国の指令に従って行動することと引き換えに助命されたと考えるのが適正であろう。

そして、岸信介氏は助命を受ける大義名分として

「このみいくさの正しさを来世までも語り残さむ」

とした。

「魂を売った」ことの大義名分として「敗北の否認」という精神状況を残したと理解できる。


この心情をそのまま引き継いでいるのが安倍晋三氏であると理解できる。

安倍政権が実行している政策内容は、ことごとく米国の指令に沿っている。

特定秘密保護法

集団的自衛権行使

TPP推進

辺野古米軍基地建設推進

原発稼働

規制撤廃・弱肉強食推進

などの施策は、米国が第3次アーミテージ・ナイレポートや、

ヘリテージ財団のブルース・クリングナー論文なので提案されている施策そのものである。

すべてを米国に依存し、すべてを米国の指令に従っている。

これが安倍政治の本質である。

安倍首相は2012年の総選挙の際、

「日本を取り戻す」

と発言したが、その主語は、

「米国が」

ということだったのだと理解できる。

しかし、これらの施策のすべてが、米国の利益にはなっても、日本の主権者の利益にはなっていない。

日本の主権者の利益を損ない、米国の利益だけを追求する。

これが安倍政治の本質であり、私たち日本の主権者は安倍政治を排除して、

日本の主権者の利益を追求する政治を実現しなければならない。

その重要な第一歩になるのが7月10日の参院選だ。

参政権を放棄することなく、投票に行き、私たちの力で日本政治を変えてゆかねばならない。


他の問題に比べてTPPは分かりにくい。

それはTPPという言葉が、意味を含まない、単なる記号であるということも大きい。

原発や戦争、あるいは基地、格差、消費税

という言葉には意味が含まれている。

言葉を提示するだけで、意味が伝わる。

ところが、TPPの場合は、一種の記号であって、このままでは人々に

意味が

伝わらない。

CIAなどのように、その内容が人々に十分熟知されていれば意味が伝わるが、

TPPの場合にはその内容が周知されていない。

だから、人々に伝える場合には、その意味が分かるように工夫する必要がある。


「いのちよりお金の条約」

「いのちとくらしをむしばむ条約」

などの言い方をしているが、TPPが具体的にどのような影響をもたらすのかを、

主権者が理解できるように伝えることが重要だ。

原発、戦争法、基地、格差、消費税

はいずれも重大な問題だが、TPPはこれらの問題と比較しても、

もっとも大きな広がりを持ち、もっとも重大な影響を私たちに及ぼすものだと言ってよい。

TPPとは一言で言うと、

日本の諸制度・諸規制を米国化することを

強制する

ものである。

日本のことは日本が決める

というのが本来の原則だが、

TPPに入ってしまうと、

日本のことを日本の主権者が決められなくなる。

それがISDS条項という「毒素条項」のもたらす害悪だ。

米国でも、エリザベス・ウォーレン上院議員などは、

TPPが主権を損なうものであるとして強い反対意見を提示している。

日本のことを日本の主権者が決められなくなるような条約に加盟するべきでない。

自民党でさえ、2012年の選挙公約では

「主権を損なうISD条項に合意しない」

と明記した。

ところが、いま安倍政権が加盟しようとしているTPPには、しっかりとISD条項が盛り込まれている。


この問題を離れても、TPPに参加することは、日本の主権者に甚大な害悪を与えるものだから、

日本はTPPに参加すべきでない。

私たちのいのちとくらし。

根幹にあるのが

医療と食糧だ。

いまの日本では、さまざまな問題が噴出し始めているとはいえ、基本的には、

いつでも、どこでも、誰でもが、必要十分な医療を受けられることを制度として確保している。

それでも、健康保険料を支払えない国民が無保険状態に置かれて、

十分な医療を受けられない状況が生まれ始めている。

この問題が日本全体に広がる。

TPPを全面的に推進している勢力のひとつが米国の医薬品、医療機器、保険業界である。

この勢力は日本に高価な医薬品と医療機器を買わせ、日本人に高価な医療保険を販売することを目論んでいる。

そのために、日本をTPPに参加させようとしている。

日本がTPPに参加すると、日本の医療は二本立てに移行することになる。

十分な医療を受けられるのは、少数の富裕層に限られ、

一般庶民は、病気になっても十分な医療を受けられないまま、死んでゆくしかなくなる状況が生まれる。


また、米国の大資本は日本の農業を支配し、

また、遺伝子組み換え食品などを大量販売することを目論んでいる。

日本がTPPに参加すると、国民の生命や健康を守るために設定している、

さまざまな予防的規制が撤廃され、日本の主権者は食の安全・安心を守れなくなる。

日本農業は破壊され、食糧危機が世界を襲えば、

日本の主権者は主食すら自給できない状況に追い込まれることになる。

そして、これらの制度変更には強制力が働き、日本の主権者が日本の制度を自分たちで決められなくなる。

TPPはグローバルに活動する強欲資本のための最終兵器なのである。

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