★国民を幸福にしないアベノミクスというペテンー(植草一秀氏)

参院選まで1ヵ月になった。

安倍政治の暴走を許すのか。

それとも、

安倍政治の暴走にブレーキをかけるのか。

日本の命運を分ける選挙になる。

公職選挙法が改正され、選挙権年齢が18歳に引き下げられた。

私たちの未来は、私たちたちが決める。

これが民主主義だ。

若い人の多くは、大人が勝手に選挙権年齢を引き下げただけで、

若者の意思を聴くわけでもなく、若者と相談するわけでもなく、無責任だ、と感じている。

しかし、選挙権を与えられた以上、この権利を行使することを考えるべきだ。

私たちの未来は私たちが決める。

そして、

「誰かが変えてくれる」

から

「自分たちで変える」

へ。

選挙に行って投票し、自分の意見を代弁する国会議員を送り込む。

その結果として、日本の政治を変える。


第2次大戦後、私たちは新しい憲法を作った。

このとき、文部省は中学校の社会科の教科書として

「あたらしい憲法のはなし」

を作って、すべての中学生に配布した。

そのなかに、選挙権を持つ国民が選挙に行き、投票して政治が行われることについて、こう記されている。

「もうすぐみなさんも、おにいさんやおねえさんといっしょに、國のことを、じぶんできめてゆくことができるのです。

みなさんの考えとはたらきで國が治まってゆくのです。

みんながなかよく、じぶんで、じぶんの國のことをやってゆくくらい、たのしいことはありません。

これが民主主義というものです。」

残念ながら、1947年8月に発行されたこの教科書は、1950年には副読本に格下げされ、

1952年には廃刊になった。

米国の占領政策の基本が

「日本民主化」

から

「日本非民主化」、「日本反共化」

に転換したためである。

この大旋回を「逆コース」と呼ぶ。


1947年以降の米国は日本の民主化を嫌った。

民主主義が根付かぬよう、教育の現場でも民主主義教育が骨抜きにされたわけだ。

こうした事実が存在することを認識したうえで、日本の民主主義を再興しなければならない。

そのためには、すべての主権者が選挙に足を運び、

日本の未来を自分たちで決める意思を持って投票に臨まなければならない。

その際、考えなければならない重大問題がいくつもある。

日本を戦争をする国に変えてしまう戦争法制を是とするのか非とするのか。

地震大国日本での原発稼働を認めるのか。

辺野古米軍基地建設を認めるのか。

格差拡大を推進するのか、是正するのか。

そして、国民のいのちとくらしをむしばみ、

日本の主権を亡きものにするTPPに日本が参加するのか、しないのか。

このすべての重大問題について、自分の答えを出し、その意見を代弁する人を国会に送り込まねばならない。

こうしたなかで、6月12日の日曜日、午後2時から3時半の予定で、

銀座マリオン前でTPP批准阻止を参院選一大争点に掲げることを提案するリレートークが実施される。

https://twitter.com/TPP_kantei/status/737201345581588481

スピーチが予定されている顔ぶれは以下のとおり。

・原中勝征(前日本医師会会長)
・山田正彦(元農林水産大臣)
・石田正昭(日本協同組合学会会長)
・山根香織(主婦連参与)
・醍醐總(東京大学名誉教授)
・安田節子(食政策センタービジョン21)
・野々山理恵子(生活協同組合パルシステム東京)
・植草一秀(オールジャパン平和と共生)
・孫崎享(元外交官)
・ママデモ
・ママの会 
ほか

「TPP協定を批准させない!
 -TPPを参議院選挙の一大争点に-」
 有楽町マリオン前でリレートーク
 6月12日(日)14時~15時30分

に、ぜひお運び賜りたい。


参院選で主権者である私たちは、

安倍政権 NO!

なのか

安倍政権 YES!

なのかを判定するべきだ。

選挙結果を大きく左右する32の1人区で、

安倍政権=NO!

の陣営が候補者を一人に絞り込んだ。

したがって、この32の選挙区、34の県に住民票を持つ主権者で、

安倍政権=NO!

と考える人は、この統一候補者に投票することで、

安倍政権=NO!

の意思を表示することができる。

この体制が整えられたことは非常に意義深い。


これ以外の選挙区=都道府県は定数が2人以上で、その数が13ある。

また、121の改選議席のうち、選挙区の定数が73、比例代表の定数が48である。

32の1人区以外の選挙区および比例代表選挙では、

自分の考え方をもっとも代表してくれる候補者や政党に投票することが必要だ。

その際の判断基準は、

原発・憲法(戦争法)・TPP・基地・格差

とするべきだろう。


メディアは安倍政権応援団である。

そのことをよく知っておかないと、メディアに誘導されてしまうことになる。

そのメディアがいま宣伝しているのが、

「アベノミクス」

というもので、

メディアは

「アベノミクスを加速するのか、やめてしまうのか」

を問うのが参院選だと宣伝している。


「アベノミクス」

が良いものなら、続けるべきだが、

「アベノミクス」

は良いものでない。

「アベノミクス」

は、金融緩和、財政出動、成長戦略を内容とするとされているが、この内容が、すべて「悪」なのだ。

金融緩和はインフレと円安を目的に実行されているが、

インフレと円安は、普通の主権者に害は与えるが益を与えない。

インフレと円安は、大企業を喜ばせるだけのものだ。

財政出動は2013年に実施されたが、2014年から2016年は、ずっと超緊縮財政だ。

消費税大増税など、超緊縮財政の最たるものだ。

この超緊縮財政で日本経済は不況に逆戻りした。

超緊縮財政で日本経済を転落させておいて、どこが、「アベノミクスを加速させる」なのか。

支離滅裂のアベコベノミクスで国民生活は地獄の底に投げ込まれたのだ。


そして、何よりも恐ろしいのが「成長戦略」だ。

労働規制の緩和で、生涯派遣労働の道が広範に開かれた。

「成長戦略」とは、労働者の取り分を減らして、資本の利益を増大させるものであり、

主権者は、こんなものに騙されてはならない。

「オレオレ詐欺」よりはるかに悪質だ。

つまり、

「アベノミクスなど百害あって一利なしだ」

いまだに、アベノミクスを宣伝するなど、時代錯誤も甚だしい。


こんなものに騙されずに、

原発、憲法、TPP、基地、格差

の問題を真剣に考えよう。

福島の悲劇をどう考えるのか。

あの悲劇を繰り返してでも、原発を利用するべきだと考えるのか。

それとも、福島の悲劇を繰り返さぬよう、原発利用を断念するのか。

決めるのは主権者である私たちだ。

憲法を破壊して戦争をする国になるのか。

それとも、

憲法破壊を許さず、憲法違反の戦争法を葬るのか。

これを決めるのも国民だ。

そして、何とも分かりにくいTPPだが、

TPPに入れば、日本のことを日本が決められなくなる。

日本のことを、私たち主権者が決められなくなるのだ。

医療制度が壊され、日本農業が破壊され、そして、食の安全・安心が破壊される。

それがいいと思う人は、安倍政権の側に投票するべきだろう。


敗戦から71年の時間が経つというのに、沖縄には米軍が駐留し続けている。

そして、しょっちゅう凶悪犯罪を繰り返している。

その凶悪犯罪があっても、日本は裁判する権利すら与えられていない。

こんな状態を一体いつまで続けるつもりなのか。

沖縄に新しい米軍基地を作る必要など皆無だ。

このこともよく考えるべきだ。


主権者が自分でよく考える。

そして、必ず選挙に行く。

選挙では、安倍政権の側の議席を減らすように投票する。

主権者がひとつにつながれば、必ず安倍暴政にブレーキをかけることができる。

この考え方を、この1ヵ月間、徹底的に伝え合っていかねばならない。

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