★米軍は沖縄から海兵隊の全軍引き上げるべき時に来た。
海兵隊は緊急展開部隊で沖縄に居なければならない部隊ではない。
沖縄県議会全会一致(自民退席)で全軍引き揚げ要求の決議ー(孫崎享氏)

私は、沖縄県の女性が強姦され、

事件の発覚を恐れて殺害された事件を受けてからの連の流れを見て、

①米軍兵、同軍属による犯罪は綱紀粛正のような措置で解決は出来ない、

②海兵隊は緊急展開部隊で沖縄にいなければならない必然性はない、

などより沖縄から、海兵隊の全軍が引き上げる時に来たと考える。

A:最近の一連の動き

1:沖縄県の女性(20)が遺体で見つかった事件で、

米海兵隊員の軍属、シンザト・ケネフ・フランクリン容疑者(32)が

「強姦し、発覚を恐れて殺害した」という趣旨の供述をしている(5月22日毎日新聞)

2:沖縄県議会は5月26日の臨時会で、

元米海兵隊員で米軍属の男が逮捕された女性遺棄事件に抗議する決議案を可決した。

決議では、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県内移設断念とともに、

初めて沖縄の全ての米海兵隊の撤退を求めた。

採決では県政野党の自民党が賛否を示さずに退席し、他の出席議員はすべて賛成した。

討論では、各議員から沖縄に基地を集中させている日本政府への怒りの声が相次いだ。

決議は米政府、米軍宛てで、在日米軍の法的地位を定めた日米地位協定の抜本改定も求めた。

3安倍晋三首相や菅義偉官房長官は協定自体の見直しには慎重で、

運用面の改善に取り組む姿勢を示している。

4:5月25日、日米首脳会談後御、安倍首相は次のように発言した。

安倍首相「私も強い憤りを覚えています。

被害にあわれた方の、そのときの恐怖と無念さを思うと言葉もありません。

身勝手で卑劣きわまりない犯罪者に対して、わが国の裁判権の下、

わが国の法律にのっとって厳正な捜査を行います。

厳正な捜査については、オバマ大統領から全面的に協力をしていくという約束を頂きました。

 今回の事件に日本全体が大きな衝撃を受けています。

オバマ大統領には、こうした日本国民の感情をしっかりと受け止めてもらい、

実効的な再発防止策の徹底など、厳正な対応を求めました

日米地位協定については、一つ一つの問題について、目に見える改善を着実に具体化し、

しっかりと結果を積み上げます。

そうした中で、日米双方が努力を重ね、地位協定のあるべき姿を不断に追求していきたい。

 今回の事件を受けて、沖縄の皆さんが治安面で強い不安を感じています。

犯罪を抑止し、沖縄の皆さんの安全、安心を確保するための対策を徹底的に講じる考えです。

早急に検討するよう、菅義偉官房長官に指示をしました。

 日本国民の命と財産を守るのは、総理大臣である私の責任であります。

その責任を果たしていくため、二度とこのような悲惨な出来事を起こさないために、

あらゆる手を尽くしていく決意です」

6:在沖縄米軍は5月27日、服喪と綱紀粛正の一環として沖縄に滞在する全ての米軍人に対し、

午前0時以降の外出禁止や基地以外での飲酒禁止を命じた。

米軍属にも同様の対応を求めた。来月24日までの措置。

7:4日夜、沖縄県でアメリカ軍の兵士の女が酒に酔って車を運転したとして逮捕された。 

4日午後11時半すぎ、沖縄県嘉手納町の国道で逆走していた乗用車が軽乗用車2台と衝突し、

軽乗用車の2人がケガをし、このうち女性1人が胸の骨を折るなどの重傷。

乗用車を運転していたのは、

嘉手納基地所属でアメリカ海軍二等兵曹のアイメ・メヒア容疑者(21)で、飲酒運転の現行犯で逮捕された。

メヒア容疑者からは基準値の約6倍のアルコールが検出され、警察の調べに対し容疑を認めているという。

 沖縄では先月、元アメリカ兵の男が女性の遺体を遺棄したとして逮捕された事件を受け、

アメリカ軍は沖縄駐留のすべての兵士と軍属に、今月24日までの間、基地の外での飲酒などを禁じていた。

8沖縄県で米軍嘉手納基地所属の海軍兵が酒に酔った状態で交通事故を起こし、

逮捕された事件で、在日米軍のドーラン司令官とケネディ駐日大使、

ハリス太平洋軍司令官は5日、電話で緊急会議を開き、

事件撲滅のためにあらゆる措置を講じる方針を確認した。

米海軍第7艦隊と在日米海軍は6日、国内すべての海軍兵に対し、

基地内外での飲酒を即時禁止としたことを発表した。

B;評価

・メヒア容疑者の起こした事件の特色は、

1. 日米両国首脳が強姦殺人事件を重くみて、
事件を起こさないよう最大限の努力をすると述べた直後に起こっていること

2. 在沖縄米軍は5月27日基地以外での飲酒禁止を命じた中で起こったことである。

 政治的判断や、命令が犯罪防止に何らの実効性を持たないことを示した。

・沖縄海兵隊基地の役割は沖縄と言う地域の防衛にあるのではない。

主たる任務は緊急展開で、米国本土でも、ハワイでもグアムでも豪州でもどこでもいい。

・海兵隊が沖縄に駐留することによって出てくる日本に対する安全保障上の利益と、

海兵隊の駐留による基地周辺の人々に対する害を比較した場合、圧倒的に後者が大きい。

 日本国民は御子縄県民の決意に耳をかし、海兵隊の撤退を求める時に来ている。

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