★消費税増税は延期だけでいい。何故「2年半延期」で国民の信を問う形式を取るか
①この時安倍氏は首相でない②次の参議院選挙は2019年10月の前にあるー(孫崎享氏)

A:事実関係

1日読売:

安倍首相は2017年4月の消費税率10%への引き上げを

19年10月まで2年半延期する意向を正式に表明した。

 14年衆院選の公約違反であることを認めた上で、参院選で国民の信を問う考えを示した。

参院選と次期衆院選を同じ日に行う「衆参同日選」を見送り、

参院選を「6月22日公示―7月10日投開票」の日程で実施すると発表した。

B評価

・そもそも消費税は上げるべきではない。

 今日日本経済の需要面は「消費」部門で、約6割と言われている。

 消費税増額は確実にマイナス効果を呼ぶ。

・これまで消費税の増額と法人税引き下げがセットで行われてきた。

 今回も同じ動きがある。

 これも社会的正義と、国民経済への悪影響で望ましい事ではない。

・今回の安倍首相の発言の最大の問題は
「19年10月まで2年半延期する」という期間設定をしたことにある。

・今回の増税延期の理由について。世界経済の危機回避に向けたサミット合意を踏まえ、
責任ある対応を取ることを理由にあげているが、ドイツ首相、英首相、仏大統領はいずれも
①今日の世界経済を危機的と位置付けていない、
②したがってこれに対応する措置を取らなければならないことに合意していない。

 したがって増税延期理由は詭弁である。

・今日でも増額できない客観的状況があるにもかかわらず、
どうして2019年10月にはこれが解消しているとみなすのか .

・19年10月という設定には次の問題がある。

1. 自民党総裁規定で、この時期には安倍首相は、自民党総裁ではなく、したがって首相ではないと想定される。

2. この次の参議院選挙は2019年(平成31年) 7月28日 任期終了であり、

2019年10月の増税が必要か否かは、2019年の選挙で信を問えばいいことである。

Reply · Report Post