★このチャンスを逃せば日米地位協定の見直しは出来なくなるー(天木直人氏)

きょう6月1日の日経と東京が小さく報じた。

 谷垣禎一自民党幹事長はきのう5月31日、

「(日米地位協定)改定の為に(自民)党として努力する」として、稲田朋美政調会長に党内調整を指示したと。

 私が注目したのは、その後で谷垣幹事長が述べた次の言葉だ。

 「かなり大きな法体系なので、体系全体を整理してみる必要がある」

 日米地位協定の改定問題で、ここまで自民党幹部、

しかも事実上、自民党のナンバー2に当たる首脳が踏み込んだ発言をしたのは、はじめてだ。

 これまでには考えられなかったことだ。

 しかも、この発言は、共産党や社民党といった左翼政党に詰め寄られたからではない。

 島尻安伊子・自民党沖縄北方担当相(自民党沖縄県連会長)が谷垣幹事長を訪れ、

日本政府に要望した事に応じた言葉だ。

 いくら、今度の参院選で当選が苦しいと言われている島尻大臣への選挙対策であるといっても、

そしていくら、米軍属による沖縄女性殺害事件の後であるにせよ、

ここまで、自民党の幹事長が踏み込んだのだ。

 すでに野党は、右翼政党であるおおさか維新の党を含め、すべて日米地位協定改正を求めている。

 連立政権を担う公明党も、日米地位協定の見直しを認めている。

 そして、なによりもオバマ大統領だ。

 オバマ大統領は5月25日の日米首脳会談直後の記者会見で、

安倍首相を前にして、あそこまで沖縄県に配慮した発言をした。

 いま、翁長知事の沖縄が、本気で日米地位協定の見直しを要求すれば、

安倍政権といえども、そして米国政府も、これを拒否することは難しい。

 この事は、見方を変えて言えば、もしこのチャンスを翁長知事の沖縄が見逃すなら、

日米地位協定の見直しはもとより、辺野古移設阻止、米軍基地の撤退、縮小も難しくなるということだ。

 失ったチャンスは二度とめぐって来ない。

 いまこそ翁長知事の沖縄は日米地位協定改正を日米両政府に強く求めるべき時である。

 はたして翁長知事はその事に気づいているだろうか。

 周到な戦略はあるのだろうか。

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