★風雲急を告げて来た政局(ついに自民党支配に乗り出した安倍)ー(天木直人氏)

「世界経済はリーマンショック前の危機だ」と突然口走しったと思ったら、

今度は、これまた唐突な「消費税増税の2019年10月までの2年半の再延期」だ。

 いずれも自民党幹部でさえ驚き、反対している。

 これをどうとらえたらいいか。

 野党共闘を揺さぶる自民党内の八百長芝居か。

 それとも安倍首相による自民党の完全支配の野望のなせるわざか。

 私の見立てはもちろん後者である。

 どういうことか。

 安倍首相の野望は東京五輪までの超長期政権だ。

 そのためにはまず今度の選挙で勝たなくてはいけない。

 もともと消費税増税に反対の安倍であるが、

ただでさえ野党共闘で苦しい状況の中で、いま消費税増税をすれば選挙で勝てない事を知っている。

 だから安倍首相は消費税増税の再延期を決めていた。

 そこに立ちふさがったのが財務官僚の側に立った麻生、谷垣だ。

 どうするか。

 それなら麻生・谷垣と戦えばいいのだ。

 菅官房長官と公明党は勝ち馬に乗るだけだ。

 幸いにも世論は圧倒的に消費税増税再延期に賛成だ。

 おりからサミット、オバマの広島訪問で、世論の支持率も跳ね上がった。

 もともと官僚嫌いの安倍であるが、権力を振りかざしたら官僚は皆ひれ伏す事を誰よりも知ってしまった。

 外務官僚はすでに完全に支配した。

 この際、財務官僚ともども、麻生・谷垣を潰せば自民党を完全支配できる。

 おりから二階も息子の選挙惨敗で、一気に力を失った。

 つまり、安倍首相のリーマンショック発言とサミット直後の電撃的な消費税増税再延期発言は、

自らの長期政権を狙った自民党乗っ取り宣言なのだ。

 自民党をぶっ壊すと宣言したのは小泉首相だったが、安倍首相はその上を行こうとしているのだ。

 これで自民党内部に安倍降ろしが出て来ないようでは、安倍首相の勝ちである。

 政局は風雲急を告げて来た。

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