★オバマの広島訪問を批判する浅井基文氏と鎌田慧氏の言葉ー(天木直人氏)

オバマの広島訪問の欺瞞を批判する有識者はもちろん多数いる。

 その一人が外務省OBで政治学者、元広島平和研究所長、の浅井基文氏だ。

 きょう5月25日の毎日新聞「私の見方」で書いている。

 オバマ氏の広島訪問は、

変質強化された同盟関係を盤石なものに仕上げる最後のステップと位置づけられているとみると。

 「核の傘」は同盟関係の基軸だ、

オバマ氏の広島訪問が核兵器廃絶の第一歩となるとの期待は幻想で、

核兵器の堅持を前提としたセレモニーに過ぎないと。

 広島は、戦争加害国としての日本の責任を正面から受け止めると同時に、

無差別大量殺害兵器である原爆を投下した米国の責任を問いただす立場を放棄してはならないと。

 そうすることによってのみ、核兵器廃絶に向けた人類の歩みの先頭に立ち続けることができるだろうと。

 見事な評論だ。

 私が言いたい事のすべてを、これ以上ない簡潔な言葉で言い尽くしている。

 もう一人が、きのう5月24日の東京新聞「本音のコラム」の鎌田慧氏だ。

 鎌田氏は、オバマの広島訪問と、その直前に、安倍内閣と御用メディアにとっては

「タイミング悪く」起きた沖縄女性レイプ殺害事件を引用し、次のように書いている。

 ヒロシマとナガサキが、戦争の犠牲者をすくなくした、と米国が強弁したがっていても、

原爆の悲劇以上のものはない。

その悲惨な「戦果」によって、戦後70年たっても日本占領をつづけ、

そのほとんどを今なお沖縄に負担させている。

独立国の内閣なら、今回の訪日にあたって、

米国大統領に被爆の実相と基地被害の実情を真剣に訴える努力をしてはいかがか、と。

 浅井氏が一刀両断し、私が絶賛する、激しい批判では安倍政権はますます反発し、

反撃的になるに違いない。

 しかし、この鎌田氏の控えめな進言に対しては、

安倍首相と言えども、日本人であれば、反論できないだろう。

 やはり鎌田氏は素晴らしい人だ。

 私は、鎌田氏の言うこと、書くことのすべてに賛成する、と言って来たが、

いままたここにその言葉を繰り返したい。

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