★沖縄女性殺害事件への怒りが弱いと感じるのは私だけだろうかー(天木直人氏)

1995年に沖縄少女暴行事件が起きた時、沖縄では10万人規模の抗議集会が開かれ、

その怒りは普天間基地返還にまで発展した。

 その時に比べて、今度の沖縄の女性殺害事件に対する怒りが弱いと感じるのは私だけだろうか。

 沖縄少女暴行事件が起きたのは1995年の9月4日であり、

大規模抗議集会が開かれたのは10月21日であったというから、一月以上の時日が経った後だ。

 今度の沖縄女性殺害事件に対する怒りも、これからどんどん大きくなって、

あの時をしのぐ規模の抗議集会に発展するのだろうか。

 そしてその結果、辺野古移設阻止という成果が得られるのだろうか。

 メディアの報道からはとてもそのような雰囲気は伝わってこない。

 メディアが抑制的に報道しているから、本当の事が伝わってこないのか。

 そうかもしれない。

 しかし怒りが本物なら、いくらメディアが抑え込んでも、やがて皆が知ることになる。

 やはり、あの時と違って反対運動は弱いのだ。

 なぜだろう。

 12歳の少女暴行事件のほうが20歳の成人女性の殺害事件より衝撃的だからか。

 そんな馬鹿な事はない。

 殺害事件の方がはるかに凶悪だ。

 オバマの訪日直前だから遠慮しているのか。

 そんな馬鹿な事はない。

 オバマ大統領の直前だからこそ、抗議は効果的なはずだ。

 もし、今度の沖縄女性殺害事件に対する怒りが、

米国の謝罪や日本政府のごまかしの対応策で終わるなら、深刻である。

 なぜ抗議の声が広がらないのか。

 すべてはこの国の政治状況のなせるわざだと思う。

 すなわち当時と比べ、護憲野党が弱体してしまったということだ。

 労働組合の組織力が弱体してしまったということだ。

 メディアがすっかり政権寄りになってしまったということだ。

 この国の対米従属ぶりがますます進んだということだ。

 沖縄問題が国民の意識から遠ざかり、沖縄と本土の分断がますます進んでしまったということだ。

 なによりも、国民の意識が政治から離れ、あきらめや、右傾化しているということだ。

 事態は深刻だと思う。

 いまこそシールズたちが声をあげるべき時であると思うのだが、はたしてシールズは立ち上がるのだろうか。

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