★小林節「新党」の報道に驚くー(天木直人氏)

小林節慶応大学名誉教授がいきなり記者会見を開いて新党結党宣言をした。

 これには驚いた。

 私がかねてから唱えて来たインターネット政党「新党憲法9条」構想と同じだと思ったからだ。

 読者の多くも驚いたと見えて、

新党憲法9条構想との関係を問いただすメールが多数私のもとに寄せられた。

 驚いたのは私の方だ。

 聞きたいのは私のほうだ。

 今度の小林節氏の新党結党宣言について、私には一切の連絡も相談もなかった。

 もっとも、だからといって私は小林節教授の行動を批判するつもりはないし、むしろ応援したいくらいだ。

 小林氏には、早い段階で私の新党9条構想を伝えて来たし、

小林氏が安保法反対の先頭に立ってメディアに頻繁に取り上げられるようになった時には、

新党を立ち上げるのはあなたしかいないとメルマガで書き、

小林興毅の選挙資金パーティで思いもかけず遭遇した時は、

野党共闘もいいけれど、行き着く先は新党結党しかないではないかと、そそのかしたりもした。

 今度の新党結党についても、きのう9日の朝日新聞がスクープ記事を書いた時点で、

さっそく私は小林氏にメールと留守電で、メッセージを送り、

驚いたけれどその行動力に期待する、私に出来る事があれば何でも協力するから頑張ってほしい、

日本のサンダース、いやトランプになって既存の政治を叩き直してほしい、とエールを送った。

 残念ながら何の返答もないまま、小林氏は辻恵という元政治家と共に記者会見を開き、

きょうの各紙が報じることとなった。

 これは私の勝手な推測だが、小林氏の周りには、すでにかなり前から何人かの「同志」がいて、

その顔ぶれも推測できるけれど、その「同志」たちには私への排除の論理が働いているのではないかと思う。

 だからこそ、私の働きかけにもかかわらず、これまで一切の連絡がなかったのだと思う。

 そしてこれからもないだろう。

 だからと言って私は小林氏やどの「同志」のあらたな動きに水をかけるつもりはない。

 私は小林氏がその「同志」たちと、私ができなかった新党構想を実現して、成功してくれれば大歓迎だ。

 私のこれまでの新党憲法9条構想の活動が報われたとすら思う。

 頼まれもしないのに私がいま出しゃばりつもりはないし、その必要もないだろう。

 しかし、私は小林新党をもってしても、前途は容易ではないと思っている。

 なぜならば、7月の参院選を目前にして、野党が生き残りをかけて共闘している時に、

あらたな新党をつくれば野党分断に手を貸す事になり反発必至であるからだ。

 私が新党憲法9条構想の活動をしばし休止したのも、まさしくそこに理由があった。

 私が気になったのは、立候補はすべて比例区だというのは私の考えと同じだが、

一人区では他の野党系候補を推薦すると語っているところだ。

 やはり既存の政党、政治家との関係から抜け出せていない。

 もうひとつは、だめだったら止めるぐらいの考えだ、と語っているところだ。

 これでは、覚悟が無さすぎる。

 はじめから逃げを打っているようなものだ。

 私は、いまの政治状況の中で、国民の気持ちを奮い立たせるような新党づくりは、

なまやさしい事ではないと自らの体験で気づき始めている。

 すべては、今後誰が小林新党の呼びかけに応じて。立候補に名乗りを上げるかだ。

 それによってまた小林新党の先が見えてくるし、小林新党の成否も見えて来ると思う。

 私はこの国の政治は行き着くところまで行くしかないとすら思い始めている。

 これからますます政局は混乱するだろう。

 その中で国民生活はどんどん苦しくなるだろう。

 世界の政治もまた混乱していく。

 本物の政治の動きがでてくるのはその時だ。

 そして、その時の主役は、特定の人物ではなく、まさしく憲法9条だと思っている。

 憲法9条の下に、皆が私心や意見の違いをおいて結集する。

 そういう政治の動きが生まれてはじめて、政治から離れた一般国民がついていくと思う。

 そういう時が来なければ本物の動きにならないと思う。

 小林節氏には期待するが、その時が来るまで、私の役割は、世の中の動きの真贋を見極め、

発信していく事だと思っている。

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