★独裁者の特徴、カスパロフ「長期的視野持たず刹那的利益追求」
これと安倍政策はまさに一致。
ロシア訪問も長期的視野なく短期の脚光だけ追うー(孫崎享氏)

1:独裁者については、興味ある発言がある。

チェスの世界チャンピオンだったカスパロフの言。

「(プーチンがチェス堪能の説に)チェスに失礼。

チェスは長期的視野、戦略眼が必要。独裁者はその場の勝負、損得で生きている」、

 さらに政治小説として最も著名なジョージ・オーエルの「1984」に次の記述がある。

「独裁者は政策の実現を求めるのではない。政治権力で他を従属させることを目的としている」

2:安倍首相が今日、独裁者的色彩を持っているのは明白である。

 自民党内で批判できる人はいない。全ての者がひれふしている。

 石破氏や、河野太郎氏等、かつて自分に対抗しようとした人々もひれふしている。

公明党の山口代表もひれ伏している。多分この姿に快感を得ているのであろう。

 それはマスコミでもそうである。反対者は次々追い出している。

大手メディアで論陣を張るのは、ひれ伏した人々のみだ。

マスコミに関しては「報道の自由度」は世界の72番目だから、独裁国に近い。

3:それで安倍政権の政策を見てみよう。

 安倍政権の特徴は一貫性がなく、180度の転換に全く平気であること。

 一寸見てみよう。

 消費税、10%引き上げと言っていたが、世論見て延期も検討、

 集団的自衛権、行使は選挙後、

 歴史問題、従軍慰安婦で、一転して韓国に謝罪、

 辺野古移転、工事強硬に進めていたと思うと一転中止。

4:つまり過去の言動と不一致することはなんら構わない。

 目指すのは、瞬間、瞬間に自分に利益をもたらすか否か。

5:今次訪露はまさにそれ。

 領土問題の根本解決を目指す訳でない。

 対ロシア姿勢に確固たる方針がある訳でない。

 今、対ロシア政策で最大の課題はウクライナ問題である。

 これを巡り、米国、欧州諸国は基本的に厳しい政策をとっている。

その政策の中にウクライナ支援があり、安倍首相はウクライナ訪問し多額の資金援助をした。

 その中のロシア訪問である。

 ウクライナ問題でどのように対処するつもりかの識見はない。

6:プーチン大統領は国際的に孤立している。だから安倍首相がくるのを歓迎している。

 歓迎される図を日本国民に示せば、国民は評価する。刹那的利益がある。

 しかし、根本的に、北方領土問題をどう解決するのか、

ウクライナ問題にどう対処するのか、全く欠如している。

7、自分の権力基盤に、国民がどう反応するか、全く刹那的に政策を実施する。

それが安倍首相のロシア訪問の核心だ。

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