★憲法記念日に考える(安倍首相の性急さを戒めた中曽根元首相)ー(天木直人氏)

超党派の国会議員でつくる新憲法制定議員連盟がきのう5月2日に憲政記念館で開かれ、

会長の中曽根康弘元首相があいさつし、

「新憲法制定に向けてさらに運動を展開していきたい」と声を張り上げたという。

 しかし、私が注目したのは、その後に述べた言葉だ。

 すなわち中曽根元首相はこう語ったという。

 国民は憲法改正の必要性は受け入れつつも、躊躇もあり、壁の厚さを感じずにはおれない、と。

 この中曽根元首相の発言は、各紙が報じる憲法9条に関する直近の世論調査にもよく表れている。

 つまり憲法9条改正についての国民的世論は分かれたままなのだ。

 かつて中曽根元首相は憲法9条改憲についてこう語ったことがあった。

 大多数の国民が憲法9条改憲に賛成するようにならなければ難しい。

国民の意見が分かれている時に強行すると、血なまぐさい事になる、と。

 憲法9条改憲に政治生涯をかけて来た中曽根元首相にして始めて言える慧眼である。

 そしてそれはまた同時に、

自分の任期中に改憲をしたいと公言する軽薄な安倍首相に対する戒めであると私は受け止めた。

 無理をして強行すれば、出来るものもできなくなる、

 禍根を残すような事を急いでするな、中曽根元首相は言っているのだ。

 憲法9条はいま正念場を迎えている。

 しかし安倍首相はそれ以上に正念場を迎えているということである。

 すべてはこれからの政治の攻防にかかっている(続く)

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