★TPP,大島衆院議長、現在のTPP合意は米国では全く批准される見通しないのに、
「日本批准に頑張ります」と言う愚。嘲笑の対象だー(孫崎享氏)

A;事実関係

1日付読売「TPP、秋に結論か」…訪米中の大島衆院議長

訪米中の大島衆院議長は4月29日、

ワシントンで共和党のライアン下院議長、民主党のペロシ下院院内総務とそれぞれ会談した。

大島氏は、今国会での成立が見送られた環太平洋経済連携協定(TPP)承認案・関連法案について

「秋の国会で結論を出すことになるのではないか」との見通しを伝えた。

ライアン氏らは大統領選などが控えていることを踏まえ、米議会での具体的な審議見通しは示さなかった。

B:評価

1:TPPには日本には何のメリットもない。

  米国に言われて実施するものだ。

2:したがって、米国にご機嫌取りたい政治家は、「TPP実現に向けて頑張ります」と言う。

それで米国側の評価が高まると思っている。

3:しかし、現時点でこれを米側に伝えることは

「あんた、馬鹿か。情勢何にも理解していないのか」と嘲笑されるのが関の山である。

4:現在米国大統領選の真最中である。

 この中、突然貿易法案、TPPが最重要項目になった。

5:今回の大統領選挙の特徴は、多くの米国国民の経済状況が決して好転せず、

貿易法案で職が奪われたという思いがある。

米国企業が海外に進出しやすい環境を整えるという意味では、無関係ではない。

6:この中、共和党のトランプ氏、クルーズ氏はTPP反対を唱えている。

 民主党のサンダースは最も強硬にTPpに反対して、予想以上の支持を集めている。

 ヒラリーはもともと推進派だ。

 しかし、このヒラリーですら、現状のTPP案には反対と言っている。

 ヒラリーは一部の修正をして、これで満足いくものになったといって、

TPP促進に回りたいだろうが、今、それを許す環境にない。 

大統領になって、それをすぐに実施しようとすれば、民主党に支持基盤が大きく揺れる。

5:こうしたことから言えば、現在のTPP合意は米国では終わったのだ。

6:それを、昔米国から実施しろと言われたものだから、

TPPちゃんとやりますと評価されると思って、今言う大島衆院議長は嘲笑の対象だ。

この人物、「米国のこと、何にも解っていないんだ!」と思われている。

政治家は実質官僚依存、しかし官僚はTPPについては実態を全く政治家に説明しないから、

こんなみっともない現象が出る。

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