★「武器輸出に大手企業は尻込み」と書いた朝日新聞ー(天木直人氏)

私は4月28日のメルマガ第347号で、

潜水艦売り込みは安倍主導だったと暴露した川崎重工業の社長の勇気ある発言について書いた。

 そして、その最後のところで、川崎重工業社長の発言の正しさは、そのうち必ず証明されるだろうと書いた。

 わずか数日でその通りになった。

 きょう5月1日の朝日新聞が書いている。

 安倍首相の武器輸出の掛け声とは裏腹に、業界には消極ムードさえ漂っていると。

 それは、今度の豪州に対する潜水艦売り込み競争でフランスに負けたからではない。

 2年前に始まった安倍首相の武器禁輸政策緩和に従って

防衛・経済産業両省の呼びかけに応じたまではよかったが、

それが商機につながらない事を大手企業はとっくに気づいて、冷めていたというのだ。

 なぜ日本企業の武器輸出は商機につながらないのか。

 軍事ジャーナリストは、自衛隊だけを顧客にしてきた日本企業は長くぬるま湯的な環境にいた、

まだ海外の強豪と競争する覚悟ができていない、などと解説して見せる。

 それだけではないだろう。

 朝日の記事は、「積極的にやれば『死の商人』と揶揄される」、という企業側からのため息が漏れる、

と書いている。

 これこそが企業側が本気になれない理由に違いない。

 戦後70年間、憲法9条を守って来た日本である。

 その日本の企業が、安倍首相の掛け声だけでいきなり武器輸出に熱心になれるはずがない。

 それはまさしく日本国民の大半がいまだに安倍首相の改憲に反対であるのと軌を一にする。

 安倍首相のやろうとしている事は間違っているのである。

 ただそれだけの事である。

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