★安倍改憲の手助けをすることになる民共共闘の大罪ー(天木直人氏)

私は観ていなかったのだが、

安倍首相がきのう4月29日の日本テレビの番組で9条改憲の意欲をあらためて語ったという。

 それをきょうの各紙が一斉に報道している。

 改憲が参院選の争点になるのは必至だと。

 本当だろうか。

 選挙で勝つことを優先するなら、国民の関心が高い、暮らしや経済の事を

優先すべきだと考える自民党幹部は多いはずだ。

 公明党に至ってはまさしくそうだろう。

 安倍首相自身もそう考えているという報道もあったはずだ。

 それにもかかわらず、安倍首相が急にこのような発言をしたことをどう解釈すればいいのか。

 本音が出たのか。

 違う。

 ズバリ、私は民共共闘にくさびを打つ事であると考える。

 民共の間の政策の違いは数々あるが、その中でも最も重要な違いは、

憲法9条に関する考え方の違いである。

 いくら安倍政権を倒す事を最優先するといっても、

憲法9条という最大の問題に対する考え方が違ったままで選挙を闘うのは矛盾だ。

 これから選挙が近づいて党首討論などになると、必ずこの問題を安倍自民党は衝いてくる。

 その時、民進党も共産党も、ともに守勢に立たされる。

 私はかねてから言い続けてきた。

 優先すべきは打倒安倍政権ではない。

 そんなことは今の民進党では無理だ。

 いま必要な事は安倍首相の手で憲法9条を変えさせないことだと。

 そのためには共産党が共闘する相手は社民党であると。

 この国の戦後の政治史の中で、憲法9条を守ることを政策綱領として掲げ、

本気で憲法9条を守ろうとしてきたのは、共産党と社会党だけだ。

 その共産党と社民党が、安倍首相がここまで改憲を明言しているいま、どうして共闘出来ないのか。

 共産党と社民党の共闘ではもちろん安倍政権は倒せない。

 しかし憲法9条を守りたいと考える多くの国民の受け皿として国民に選択肢を与えることは、

間違いなくできる。

 共産党と社民党が共闘出来ないから安倍首相が増長するのである。

 民共共闘の大罪は、本来ならば安倍首相の手では出来ない憲法9条改憲を、

安倍首相にその気にさせることである。

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