★売国民進党候補には愛国共産党候補が対峙するー(植草一秀氏)

衆議院補欠選挙結果を受けて参院選に向けての戦略が再度論じられることになる。

自公勢力は薄氷を踏む勝利になった。

本来は、町村氏の弔い選挙であり、娘婿である和田氏の絶対的な有利が伝えられていた。

しかし、結果は僅差での勝利。

TPP国会審議が止まり、熊本地震発生が有権者の心理状態を大きく変化させた。

党首討論もなくなった。

こうした偶然の要素も加わって自民候補が辛勝したが、基本的に互角の勝負になった点が重要である。

したがって、自公勢力としては、

1.共産党を含む野党共闘体制の構築を可能な限り妨害する

2.投票率が高まらないように注力する

ことを参院選戦術の基本に据えることになるだろう。

これに対して、安倍自公政権に対峙する勢力は、

1.共産党を含む野党共闘体制の強化

2.投票率が上昇するように主権者の選挙への関心を高めること

に重点を置く戦術を構築する必要がある。


主権者にとって重要な政治問題は、

戦争法

原発

TPP

辺野古基地

格差=消費税=保育所=福祉

であるが、要するに、米国に日本の売り渡すことを

是とするのか

非とするのか

という選択になる。

「米国に日本を売り渡す」

側面で、その集大成と言えるものが

TPP

である。

野党第一党である民進党のなかには、TPP推進者が存在する。

つまり「売国勢力」が民進党内に居座っているのである。

この民進党「売国勢力」が野党共闘を妨害する行動を示すことが予想される。

この民進党「売国勢力」をいかに封じ込めることができるか。

それが、今後の野党共闘体制確立を推進する上での最大の課題、最大の障害になる。


TPP批准阻止アクション実行委員会では、毎週水曜日の国会行動を展開している。

4月27日(水)も午後5時から午後8時まで国会行動を実施する。

17時~18時

衆議院第2議員会館・多目的会議室

「市民と国会議員の情報共有会議」

18時30分~20時

衆議院第2議員会館前

大抗議行動

が実行される。

安倍政権は今次通常国会でのTPP批准を断念した模様だが、TPP批准を断念したわけではない。

秋の臨時国会での批准を目論んでいる。

したがって、必然的にTPPが参院選最重要争点に浮上する可能性が高まっている。

安倍政権が消費税率10%見送りを参院選後に持ち越しするなら、

消費税問題も参院選争点に掲げるべきである。

さらに、地震活動が活発化するなかで、耐震性能が極めて低い原発を稼働することなど、

文字通り狂気の沙汰である。

原発・TPP・消費税

を参院選争点に明示する必要性が高まっている。


消費税というのは何か。

消費税増税の裏側が、法人税減税なのである。

日本の過去25年間の税収構造の変化を改めて見つめてもらいたい。

25年前の税収構造は次のようなものだった。

所得税 27兆円(91年度)

法人税 19兆円(89年度)

消費税  3兆円(89年度)

これが、

2015年度には

所得税 16兆円

法人税 11兆円

消費税 17兆円

になった。


日本政府は2007年の税制調査会報告書で、

「日本の法人負担は国際比較上高いとは言えない」

との判断を示した。

法人税減税は、もう必要ないとの判断を明示したのである。

ところが、

2011年度に 39.54% 

法人実効税率が

2016年度には 29.97% に

2018年度には 29.74% に

引き下げられる。


庶民の課税を25年間で6倍に引き上げる一方、

25年間で半分に減額された法人税負担を、

さらに25%もカットする税制改定が推進されている。

日本の政府債務が1000兆円あって、日本はいつギリシャのような状況に陥るか分からない、

という話が流布されているが、

完全なる「風説の流布」である。

日本政府は債務を1100兆円抱えているが、資産も1100兆円抱えており、純債務は「ゼロ!」なのだ。

財政危機に陥るリスクも「ゼロ!」である。


庶民に負担を押し付けて、

大資本と官僚が高笑いするという、

「悪代官と越後屋政治」

が実施されているのである。

「悪代官と越後屋」

が私腹を肥やすために庶民に重税を押し付けているのに、

その庶民が、

「立派な政治家の先生が、国が危うくならないように増税を推進している」

などと崇めていては、国は亡びるばかりである。


そして、国を亡ぼす最有力候補が、耐震性能を備えていない原発である。

4月14日の地震でも

1580ガル

の揺れが観測された。

2008年には4022ガルの揺れも観測されている。

それなのに、

川内原発の耐震性能基準は 620ガル

伊方原発の耐震性能基準は 570ガル

に過ぎない。

二つの原発とも、今回の熊本地震の発生源である、

中央構造線上の活断層の真上に立地している疑いが濃厚なのだ。


そして、日本を根底から破壊するのがTPPだ。

多国籍企業は、

農業、医療、金融

で、日本収奪を目論んでいる。

TPPの毒素であるISDSは、

「日本の独立」を奪う。

日本がTPPに入れば、日本は名実ともに

「経済植民地」

に成り下がる。

参院選は、この意味での

「売国勢力」



「愛国勢力」

の戦いになる。

民進党の一部が「売国勢力」であることを、主権者全員に知らせておく必要があり、

「売国民進党」候補者が擁立される選挙区では、

これとは別に

「愛国者」を統一候補として擁立しなければならない。

その多くは共産党候補者になると考えられる。

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