★京都3区民進党、北海道5区自民党勝利、共闘の成果と限界
―野党協力は安倍独走を止める意味で貴重、
それ以上の大きなうねりにはなりにくいー。ー(孫崎享氏)

1.24日補選は次の結果を示した。

 北海道5区 和田義明 135,842

         池田真紀 123,517

 京都3区   泉健太  65,051

          森夏枝  20,710

2・結果は事前の大方の予測と変わらない。

3:野党共闘が一定の成果を得たことは間違いない。

 読売社説は「池田氏は無党派層を重視する戦術だが、支持は広がりを欠いた。

ただ、民進、共産両党の組織的な「共闘」は、一定の有効性が示された。

独自候補を取り下げた共産党の支持者のほとんどが、池田氏に投票したとみられる。 

野党は今後、さらに選挙協力の拡大を目指すだろう。

既に参院選1人区で15人以上の統一候補を実現させている。

「自公対民共」の戦いが、参院選全体の行方を左右するのは間違いない。」と今後への影響を記述している。

 記事では「2014年12月の第3次安倍内閣発足後、初めての国政選挙で、

夏の政治決戦である参院選の試金石となった。

与野党の一騎打ちとなった北海道5区を制した与党は、参院選に弾みがつきそうだ。」と

勝利ムードを強く出しているのと異なる。

4:今後参議院選挙を含め共闘によって、

自民公明は一本化、野党はバラバラが野党統一候補の推進によって、

安倍政権独奏に一定の抑制が働こう。

 TPPを今国会で無理押ししなかったのも選挙への影響を配慮してのことである。

 25日朝日新聞は一面トップで大々的に「同日選首相見送り」も

同日選で自公が圧勝する状況にない都の判断があったものと推測される。

5:「安倍阻止」は一定の力にはなっている。

 しかし、野党共闘の軸になる民進党が重要課題で「自民党亜流」の域を超えられず、

国民の多数を代表する政策を打ち出せない限り大きい波を作れない。

 打ち出すべき政策は次である。

・集団的自衛権で自衛隊を米軍の「傭兵的存在」にはしない。

・国家主権を侵すTPPには入らない、

・消費税を上げ、法人税を下げる税制には反対する、

・原発の再稼働は認めない。

 残念ながら、民進党内の勢力にこれら政策の実現を阻止する強固な力が存在している。

 その中、野党協力は安倍独走を止める意味で貴重ではあるが、それ以上の大きなうねりにはなりにくい。

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