★三菱自動車の不正を見抜けなかった国交省に責任はないのかー(天木直人氏)

三菱自動車の不正問題を大きく取り上げるきょう4月22日の新聞記事の中で、

日経新聞の記事がこの問題の根深さを見事に浮き彫りにしていた。

 その一つが燃費データの改ざんの背景には、激しいシェア争いがあったという指摘だ。

 そうだとすれば、他社も同様のごまかしをしているおそれがある。

 どこまでが許される不正表示か知らないが、売るために宣伝されているデータは怪しい。

 我々消費者はそれを体験的に知っている。

 三菱自動車一人を悪者にしてすむ話ではない事がわかれば、その時こそ大問題だ。

 二つ目は、三菱自動車の不正を見逃した政府、国交省の検査制度欠陥はないのか、という指摘だ。

 もっとありていに言えば、

三菱自動車の偽装を見抜けなかったか政府、国交省の責任を問わなくていいのか、ということだ。

 この事は、まさしく10年ほどまえに起きた耐震偽装事件と瓜二つだ。

 あの時は旧建設省の責任だが、今度は旧運輸省の責任だ。

 いずれも今の国交省だ。

 この点についてきょう4月22日の東京新聞がQ&Aで取り上げた。

 国交省の天下り団体である独立行政法人「交通安全環境研究所」は

各メーカーが実施した走行試験のデータを丸呑みしてきたと。

 国交省は何のために独立行政法人をつくって専門的な検査をさせていたのか。

 そもそも、なぜそのような重要な検査を国交省の専門家が自ら実施せずに余計な組織を作るのか。

 その組織が検査出来ないというのでは洒落にもならない。

 今度の三菱自動車の不正は、そんな政府の無能さといい加減さを見越した上での不正に違いない。

 あるいは政府とのなれ合いでここまで放置されてきたのかもしれない。

 もちろん、不正を繰り返した三菱自動車には一切の弁解の余地はない。

 だから、代って国民が言わなければいけない。

 やるべき仕事をせずに権限に安住する官僚たちは、今度の事件で国民に説明責任を果たせと。

 いまこそ我々が国家の不正を弾劾する時である。

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