★中国に呼びつけられていたのは日本の大使だけだったという衝撃ー(天木直人氏)

きのう4月14日のメルマガ第314号で書いた。

 中国がサミット参加国の大使を呼びつけて南シナ海問題に関するG7外相会合の共同声明批判をしたと。

 ここまで中国が強硬姿勢を示したのは異例なことだ、

サミットでは南シナ海問題が最大の難問として安倍首相の前に立ちふさがる事になる、と。

 ところがきょう4月15日の共同通信のスクープ配信を見つけて驚いた。

 中国がサミット参加国に文句を言ったのはその通りであるが、

呼びつけられたのは日本の大使だけだった、というのだ。

 すなわち北京発共同を配信したきょう4月15日の産経はこう書いている。

 日中関係筋は「(日本以外の)国は大使ではなかったようだ」と述べ、

大使を呼び出したのは日本のみと見られることが14日分かったと。

 同じ事は、きょう4月15日の日経新聞も書いている。

 そして日経新聞は、共同を引用することなく、

日経の独自取材に基づくものだ(北京発永井央紀記者の記事)と言わんばかりにこう書いている。

 「中国外務省が木寺昌人駐中国日本大使を呼んで、

『声明は南シナ海問題の解決に資さない。G7で取り上げるべきではない』と指摘したことがわかった。

中国は各国に申し入れたが、大使が呼び出されたのは日本だけだったもようだ」

 共同通信の配信を引用して書いた産経新聞の記事も、独自の取材で書いた日経新聞の記事も、

いずれも要領の得ない記事だ。

 しかもこれほど重要な記事にもかかわらず、まるで訂正記事の様な一段の小さな記事だ。

 その他の大手紙は記事にすることすらしない。

 ひょっとして、きのう4月14日の各紙の記事は、先走った誤報だったのではないか。

 外務省が日本のメディアを誤誘導したのか、それとも共同通信が誤報したのか、

あるいは共同通信の配信を大手紙が曲解して書いたのか。

 いずれにしても、中国政府が北京駐在のサミット参加国大使全員を呼びつけて文句を言ったとうのは

間違いだったということだ。

 それはそうだろう。

 そこまで中国はサミット参加国に対し、傲慢、非礼ではなかった。

 しかし、日本の安倍首相に対してだけは傲慢、非礼の極みであったということだ。

 それを知った安倍首相はさぞかし頭に来ているだろう。

 意地でも南シナ海問題についての中国批判をサミット共同声明に書き込みたいだろう。

 そして中国はそんな安倍首相に的を絞って猛烈に反発するだろう。

 南シナ海問題をサミット声明でどこまで書き込むかは、中国政府と安倍首相の攻防となった。

 ますます安倍首相は南シナ海問題で窮地に立たされることになる。

 これだけは間違いない。

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