★茶番に終わった西川元農水大臣のTPP暴露本騒ぎー(天木直人氏)

きょう4月12日の東京新聞「こちら特報部」が、

TPPの国会審議中断の原因となった西川公也元農水大臣のTPP暴露本騒ぎについて書いた。

 それを読んだ私は、この暴露本を買い被っていた自分を恥じた。

 私は、4月9日のメルマガ第297号で、

西川暴露本批判を先走ってチャンスを逸した民進党は大失策をおかしたと書いた。

 つまり、断片的に報道される内容だけでも、

この暴露本は、TPP阻止のための安倍政権追及の決め手となるに違いない、

ところが、こんな貴重な暴露本のゲラを入手しておきながら、

本が出版される前に国会で下手な質問をして手の内をさらけ出した。

安倍政権はこの西川暴露本の出版差し止を命じるだろうから、

今後は正面切って追及できなくなる、民進党は手柄を焦ってとんだへまをした、と書いた。

 これがとんだ勘違いだったのだ。

 きょうの「こちら特報部」は、ゲラを入手して読んでみたが実は大した秘密はなかった、と書いている。

 その記事の中で、私が注目したのは、

TPP交渉に詳しいアジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長の次の言葉だ。

 「外交関係を揺るがすような重要かつ決定的な情報はない」 

 内田聖子氏がそう言っているのだから、間違いない。

 何のことはない。

 すでに皆が原稿を入手していて、大した暴露本ではないことを知っているのだ。

 確かに冷静に考えたら、西川公也氏が官僚と結託して書くような暴露本には、

自慢話はあっても、安倍政権を追い込むような機密情報など、あるはずがない。

 何よりも、もし国を売り渡すような機密情報が書かれているのなら、

民進党の議員は審議を中断などせず、その中身を追及すれば安倍政権を追い込むことが出来るはずだ。

 結局のところ、これは民進党のパフォーマンスだったということだ。

 あるいは、ゲラの中身を十分読まないまま、安倍批判を先行させたのかもしれない。

 どっちにしても茶番は終わったという事である。

 「民進党はチャンスを見逃す大失策をした」などと書いた私は反省しなければいけない。

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